2012/10/23

【マーケティングセミナ案内】ビッグデータと言いますが。

本日はマーケティングセミナのご案内です。
人事や経営の分野にも忍び寄る”ビッグデータ”ですが、マーケティングでは比較的昔からデータ分析というものが盛んにおこなわれています。
(と言いながら、スモールデータでさえきちんと分析できている会社は多く無いと感じますが)

さて、ビッグデータと言う表現は、マッキンゼー社が米国で言い出したのが始まりとされています。
米国は、日本よりはデータ分析の下地がある社会です。
日本においてのビッグデータがハード屋(インフラ屋)さんによって盛んに宣伝されているのも、そういうことかも知れません。

ビッグデータの功罪は置いておくとして、ここで大事なことは、”データ”というものが確かに多量にリアルタイムに取得できるようになってきた。

という事実です。
だから、こういったデータから有用な知見を得たい、というのは当然のセンスですよね。
個人的に思うことは、データ分析は”分析”に過ぎず、それだけで最高の結果が導出される訳では無いということです。

共同研究をしています、東京大学 大澤先生はもっと露骨に、手を動かせ、足を動かせ、体を動かせ、と言われていますが。

マーケティングにおけるデータ分析が自動化されている最たる例は、レコメンドと呼ばれるものです。Amazon や 楽天で本やCDを買うと、この商品を買った人は、これも買っています(だから、一緒にどうですか?)と出てくる、アレです。

まあ、それで自分が気づかなかった素晴らしいレコメンド(推奨)があるなら、それで良いじゃん!という現実主義な方も多いとは思いますが、やっぱり、なんかそこは、人対人のコミュニケーションを求めたい、という方も多いのでは無いでしょうか。

前置きが長くなりましたが、11月16日(金)弊社にて、
「ビッグデータで実現する”おもてなし”顧客対応」

と題したセミナを開催します。目玉が2つもありまして、一つは「CRMにおけるワン・トゥー・ワン・マーケティングの分野で先導的な役割を果たしてこられた」阿部誠教授による基調講演です。

もう一つは、業界大手の通販事業者様における、顧客管理によるプロモーション施策の実施事例です。つい最近に行った効果検証の事例を聞いて頂けるチャンスです!

詳しい案内および申込みは下記リンクよりお願いします。
http://www.kke.co.jp/bigdata

(Y.Nobuka)

どうぞ、Twitterで拡散して下さい!



2012/07/12

【参加報告】オフィス総合展 SO-4 オフィス環境改善(後編)

先に前編をご覧ください。
http://kke-keieijinji.blogspot.jp/2012/07/so-4.html

2つ目の講演

2)日本マイクロソフトの次世代ワークプレイスを本邦初公開 日本マイクロソフト 長坂様

本社を品川へ移転するプロジェクトの全容紹介。

印象的だったのは、メッセンジャーのような画面で、各社員のオンライン状態が確認できるシステム。自分で設定するのではなく、PCの状態から自動で細かい設定をしてくれるようでした。
実際に、秘書の方と生チャット(Live電話)をしていたのも、なかなか面白かったです。あのシステム欲しいなあ。

しっかりとした、ビジョンと戦略に従った、本社移転だったのだと感じました。引っ越し一つも戦略性を持って行うと面白いですね!

オフィスの詳しいことはWEBでも色々と見られるようですので、ご興味ある方はどうぞ。

オフィスヴァーチャルツアー
https://www.microsoft.com/japan/msbc/Express/company_tour/

弊社もお客様を呼べるオフィス作りがあっても良いと考えます。
「うちのオフィスは是非、見に来てください」
「御社のオフィスに行きたいから、そちらで打ち合わせしましょう」

とお客さんに言ったり、言われたり。
お客さんが来てくれるようになると、その効果は図り知れません。
本気で考えて見る価値あるかな。その前に立地がまずいかー。いや、新中野にでも来たくなるようなオフィス作りとか!これは、人事では無く、総務のお仕事なのでしょうかね?

(Y.Nobuka)

どうぞ、Twitterで拡散して下さい!

【参加報告】オフィス総合展 SO-4 オフィス環境改善(前編)

昨日に続き、オフィス総合展の報告です。
http://www.osec.jp/Conference/Conference-Program/#S-04

2つの講演でした。

1)組織に活力を与える新しいオフィス創りの「仕掛け」 早稲田大学 渡部教授

本日も、内容が多すぎて駆け足でした。

不勉強でしたが、講演者の渡部様は話題になった「不機嫌の職場」の著者なんですね。
最近では「フリーライダー」という本も書いています。

自身の「不機嫌な職場」にも触れつつ、原因について考えます。
「世代間ギャップ」 「個人の性格」 そういったものが原因では無い、というのは同感です。

では、何が変わったかというと「環境」ということでした。
終身雇用制度の崩壊に伴う、雇用の流動化が原因であると。この辺りは議論の余地もありますが、概ね当たりですよね。

講演では、社会的交換がキーワードでした。ここでは、

 ヒトや組織間の関係を、有形無形の資源のやり取りであるとみなすという「見方」

と定義されました。経済交換とは、モノやサービスを対価(現金)と交換すると考えると、それ以外のコミュニケーションと言えます。何気ない、労りの言葉も社会的交換になるでしょう。

アメリカの調査で、就業時間中に上司と部下がインフォーマルな会話を交わす時間が長い職場の方が業績が良い。

という結果もあるそうです。確かに、就業時間中の私語ですから、こんなものは無い方が生産性も上がる、と考えられますが調査結果は、その逆を示したことになります。


主に雇用環境の変質により、「社会的交換」が不活性化し、それが不機嫌な職場を生む原因を作っている。

そんな感じです。そこで、オフィスデザインの観点から「社会的交換」を活性化させるには?

オフィスでの人の集まりを「ストック」と「フロー」で考える。

「ストック」・・・人が留まる場所 (会議室(フォーマル)、喫煙所(インフォーマル)など)

「フロー」・・・人が流れる場所 (通路など)

フォーマルなストックポイントを魅力的にするために、社員食堂を充実したり、会議室の設計を工夫する。
インフォーマルなストックポイントのデザイン例として、ホワイトボードの設置や遊びを取り入れた情報交換(重層的なネットワークの構築につながる)

と色々な話がありました。

人は交流した方が良いのでしょうかね?
わたしは、知識創造とは、一個人の技量に頼るものでは無く、異文化の交流により生まれるもの、という立場ですので、この考えに大いに賛成です。戦略的意図を持って、オフィスのデザインを出来ると面白いだろうなーと感じました。
そして、マイクロソフト社 長坂様の講演に続きます。(後編をご覧ください)

(Y.Nobuka)

どうぞ、Twitterで拡散して下さい!

2012/07/11

【参加報告】オフィス総合展 SO-2 組織活性化 (後編)

先に前編をご覧ください。
http://kke-keieijinji.blogspot.jp/2012/07/so-2.html

2つ目の講演。

2)女性社員の活躍が企業競争力を高める! 明治安田生命保険相互会社 浅野様

日経WOMANの調査で、ワークライフバランス度部門で1位を獲得されています。

短い時間ながらも、要領を得た講演と、事例ベースのお話は大変参考になりました。

ワーク・ライフ・バランスプログラムという制度。
「年次休暇の取得率」「定時退出率」 などを独自にスコア化されて、それを定量的な評価軸にして部門長の評価にも採用する。というもの。

ここまでされると、部門長も本気にならざるを得ませんね。
中に、「不適正な退館記録・勤務報告指示が行われている場合」という項目があり、大幅減点対象になっているのも、当然ながらに、素晴らしいと感じました。
他の項目でチマチマ貯めても、この減点で評価が最低になりそうなバランスでした。当たり前です。

本講演では、女性のキャリアという視点が中心でした。
これはこれで、大事なのですが、中には、明治安田生命は好きだが、色々な理由でキャリアはいらない。今のままの職務で、その水準の給与が貰えれば満足。という社員もいるでしょう。
もちろん、そういう社員でも日々の業務における創意工夫は求められますが、いわゆる、キャリアを向上していくことが”正”という考え方は、知識創造企業では当てはまりません。

これは意外に感じるかも知れませんが、そもそも、これが正しい!と言い切ってしまう当たりが、合わないということなのですが。常に、”変態”していくことが求められます。人事部は大変ですよ。正解の無いものを、経営戦略と照らし合わせながら考え続けなければなりません。最適解を求め続けるということでしょうね。

いやー、本講演を聞きながら、つくづく思いました。こういうことを考えているのは楽しいな!

と。これかもら、社員が創造性を持って、充実して働ける環境について発信していければ幸いです。

(Y.Nobuka)

どうぞ、Twitterで拡散して下さい!

【参加報告】オフィス総合展 SO-2 組織活性化 (前編)

久しぶりの更新です。幾つか下書きをしながら、文章が纏まらずにアップしていないものがあるのですが、今日は良い講演を拝聴してきましたので、報告させて頂きます。
http://www.osec.jp/Conference/Conference-Program/#S-02

2つの講演でした。

1)企業の生産性を高める戦略的福利厚生とは 山梨大学 西久保教授

内容が多すぎて、駆け足の講演であったことは残念でしたが、良い内容でした。

タイトルにもある通り、福利厚生を戦略的視点で捉えるというのが、自分には新鮮でした。
日立鉱山における、明治初期から昭和にかけての、いわゆる福利厚生(ハコモノ)の話から始まり、今は”ヒトもの”に流行が移っており、時間軸も長期から短期になっている、という話。

経営の短期化は避けられない方向性ですね。

一方で、群馬県の自動車関連企業では、若者が喜ぶようなITを完備した素晴らしい寮(ハコモノ)を2009年に作った。という話。

一見、トレンドと矛盾するのですが、この企業では、工業高校を出た優秀な若者を採用したい。という採用戦略があり、そのための差別化として、前述のような寮があることは大事だということでした。

つまり、福利厚生とは、経営戦略、人事戦略を達成するための一つ手段に過ぎない。ということです。言われてみれば当たり前なのですが、この視点って、本気で意識していないと落ちてしまうのでは無いかなと感じました。

そうして、先進国、成熟国家である日本では、より高付加価値で創造性の高い働きをして貰うためには、それを達成するような福利厚生を、担当者もよーく考えないといけない。

という最後の締めは、その通り!という感じですね。
ここでも戦略ですから、業界他社やトレンドを見て、カフェテリアプランが流行っているから取り入れようとか。大手の真似をして失敗しても、それは仕方ない(言い訳)とかは、論外な時代なわけです。

西久保先生の調査では、「定着性」「貢献性」「勤勉性」の3軸において、「賃金」は影響を与えるという統計的結果は無いが、「福利厚生の利用経験度数」は、統計的に有意に良い影響があることが出ていました。

知識創造企業においては、賃金だけで社員へ報いることは限界が来ています。
福利厚生を戦略的に活用するのは、大変意義深いですね。その後、明治安田生命様の講演に続きます。

(Y.Nobuka)

どうぞ、Twitterで拡散して下さい!

2012/05/31

ビジネス統計セミナー

本日は、人事データを定量的に分析したい方にピッタリのセミナをご紹介します。

【無料】ビジネス統計セミナ― 6/19(火) 13時30分~ (東京)
http://www2.kke.co.jp/minitab/seminar_statistics_in_business.html

多くの企業様で、BIツールや何かしら人事・経営情報を分析・可視化ツールを導入されているのでは無いでしょうか。確かに、分析をコンピュータがやってくれるのは助かります。しかし、その結果から意味ある価値を見出すのは人間の仕事です。その判断を下すためには、統計について知っておくことは意義あることです。

今後、有償化を予定しているセミナですので、無料のうちに是非ご活用頂ければ幸いです。
お陰さまで申込も順調のようですので、申込サイトが一杯になっている場合、個別にお問い合わせ下さい。

従業員サーベイ、社員意識調査が実効度が上がっていない方には是非ご参加頂きたいです!

(Y.Nobuka)

どうぞ、Twitterで拡散して下さい!

2012/05/26

【参加報告】創造性ものづくり&創造性工学プロジェクト 2日目

本日、2012年5月25日(土) 東京大学 本郷キャンパスにて、「創造性ものづくり」という授業に参加させて頂きました。前回の様子はこちら。
http://kke-keieijinji.blogspot.jp/2012/04/blog-post_28.html

全4回(1回90分×3コマ)の構成で、実際にイノベーションゲームの実施までを行うものです。
大澤先生と共同研究をしている関係で、お声掛けを頂きました。今回は2日目です。

本日は、前回の振り返りとFinkeの実験体験と要求カード、基礎カード作りでした。

イノベーションゲー(R)は、アイデア組み合わせが強い制約なのですが、最近では1つの技術であっても、既存には無い新しい使い方の提案であれば許容する仕組みも入れているとのこと。

そこでFinkeの実験を体験しました。
簡単な実験で被験者の数に限りもありましたが、見事にFinkeの実験通りの結果が出たことには驚きました(ある程度は偶然の産物でしょうが)
実際にやってみると理解が進みます。Finkeの実験の詳しくは書籍などをご覧ください。

イノベーションゲーム(R)に関連させて表現すると、

基礎カード(元となる知識)は限定されている方が良い (何でも使えるは×)
適切なテーマを与える (何でも良いは×)
プレーヤーが自分で基礎カードを作る

そこで、今回は実際に「要求カード」と「基礎カード」を作成しました。
参考までにわたしが作ったものを掲載しておきます。




このカードの構造は「都合」を表現したものになっています。
なぜ、このような考え方を行うのか? 例えば、以下のような消費行動を考えましょう。

Aさんがホームセンターにドリルを買いに来ました。
店員が対応します。
言われた通りにドリルを渡して終わります。

後日、これでは自分が開けたかった穴が開けられない、とクレームが入ります。。。

何のこっちゃ、という感じですが、要するに我々は購買の現場においてさえ、はっきりと要求の意図を伝えられないということです。意図的に隠している訳では無く、積極的に開示しないだけです。だから厄介だと思いませんか。
気の利いた店員は、「ドリルでどんな穴をあけるのですか?」とか聞きます。そうです、Aさんの本当の要求(これを意図と呼びますが)は、「穴を開けることなのです」
ややメタ的になったともいえるでしょうか。”ドリルが欲しい”だけでは見えなかった世界が、”穴を開けたい”の世界にはありませんか?

こういった、意図を把握しておかないと手戻りが発生することは、ビジネスマンの方であれば一度は経験されているでしょう。ちなみに、ある製品やシステムを作ったことにより、思いもしなかった影響が起こることがあります。そのことによって、やはり手戻りが発生することもあります。
だから、このカードでは(これを派生制約と呼びますが)、そこも頑張って考えましょう。ということになります。しかし、この行為は結構しんどい作業なので、実際のイノベーションゲーム(R)の現場において埋めていっても良いというスタンスとなります。

こういうところが、全て一人で綺麗に出来る人は限られているし、ビジネスは一人でやる必要もありません。メンバー全員の知識・知恵が融合して生まれる価値は、一人のスーパーマンが考えたものよりも優る。こういうプロセスを作りたくて、イノベーションゲーム(R)をやっております。

今まさに、とあるメーカーさんからワークショップの依頼を頂いておりますが、かなりハードルが高いことを要求されております。今日の授業もまた、その要求へのヒントを得られる良い内容でした。ビジネスの現場では、こういうことを一つ一つ丁寧にやる機会が少ないので、このような授業に参加できることは大変有難い次第です。
(時間を取ったとしても、やはり、このような形でやらないと理解が進まないです)

次は、そのメーカーさんに対して、わたし(弊社)が大澤先生の役割を演じることになるわけです。

次は早くて、来週です。実際のイノベーションゲーム(R)を行うそうです。弊社のメンバー以外にも、社会人の方も参加されると聞いているので、今から楽しみです。

※イノベーションゲーム(R)は東京大学 大澤教授の登録商標です。

(Y.Nobuka)

どうぞ、Twitterで拡散して下さい!

2012/05/13

【進研ゼミ】DMだけに頼らないダイレクトマーケティングへの変革


先日ダイレクトマーケティングEXPOの専門セミナで、株式会社ベネッセコーポレーションの下記講演を聞いてきました。

【進研ゼミ】DMだけに頼らないダイレクトマーケティングへの変革
~「関係性複線化」のクロスメディア最新活用事例
http://www.dme-expo.jp/ja/Technical-Conference/Technical-Conference-2012/DM-4/

講演者である、同社の田中茂樹様は自身も進研ゼミのロイヤルユーザーだったそうです。
講演全体を通して、進研ゼミ愛のようなものを感じ良かったです。

わたしにとってベネッセコーポレーションは、知識創造企業の一つだろうと勝手に想像しています。これはマーケティングでの取り組みですが、その一端が垣間見えました。
講演は、同社のマーケティング戦略について、かなり整理されている良い内容でした。
その中で気になったトピックスは以下の通りです。

紙教材という軸がぶれていない
紙教材に親和性が高いのは紙のDMという信念
WEBなども駆使して、クロスメディア戦略も取っているが、それは紙のDMを補足するツールとして活用を考えている
さらに、広告の戦略モデルで有名な「AIDMA」を、しっかりと自社のプロセスに組み込んでいる
(AIDMAをそのまま使うのでは無く、自社なりのアレンジが加えられていました)

これは、ツールやソフトウェア全てに共通することですが、本質を捉えて自社に合わせた組み込みをするというのは言うのは簡単なのですが、意外に実践できていないのでは無いでしょうか。

その他にも色々と面白い裏話が聞けて、大変楽しい講演でした。

自社の強みを理解し、その本質をぶれることなく、新しいことを取り入れて行く。その中では、様々なステークホルダーを巻き込んでいく(その合意を形成していく)。そんなプロセスがマーケティングの中に垣間見えたのでした。

組織を作り、継続的に改善していくのも同じことですね。
制度を作る過程も大変ですが、状況が変われば、それに応じて柔軟に変えて行くことも大事で、そのためにはデータに基づく定量評価も重要になってきます。マーケティングと人事の在り方には、似た部分があると思う今日この頃でした。
どちらも、個人のセンス(能力)に依存していたものが、定量的な分析によるアプローチによって、継続的な改善が可能になってきているということです。

(Y.Nobuka)

どうぞ、Twitterで拡散して下さい!

2012/05/12

アナロジーゲーム(思考)と組織の持続的な改善

湯船に浸かりながら、ふと思いつく。アナロジーゲーム(思考)について、自分なりの理解を言語化しておこう。これは、編集力や組織作り、エクセレントカンパニーの在り方などにも通ずるはずである。

まず、アナロジーゲームについては、考案元である東京大学 大澤研究室より引用
http://www.panda.sys.t.u-tokyo.ac.jp/nishihara/AG_ver7.1c/

アナロジー(類推)をするための能力を鍛えるものです。

次に、編集については、以前も紹介しました編集工学研究所から引用
http://es.isis.ne.jp/whatsabout.html

編集とは、情報を収集し、分類し、関係づけ、表現をすること

アナロジーゲームとは、この分類・関係づけ・表現をすることで、その能力を鍛えるものです。
実際にやってみると、グループを作った後に、そこに「名前(ラベル)」をつけるという行為が、非常に興味深いものです。ラベルをつけられた瞬間に、その単語の新しい世界が広がる体験ができます。さらに、これを他人と一緒のグループワークに応用すれば、お互いの価値観を共有することもできるし、自分には無かった「関係づけ」のヒントが得られて、新たな発見を得ることができます。

この延長線でイノベーションゲーム(R)を実施していくと、かなり良いアイデア発想の場となるだろうことは感覚的に得ております。ここでは、もう少し突っ込んで、本ブログの主題である「知識創造企業」について言及します。その前に、久しぶりに読んだ下記の本から、

コピー用紙の裏は使うな
http://www.amazon.co.jp/dp/4022731370

コスト削減の本質にせまる良書ですが、

「組織は出来あがった時点から衰退がはじまる」

という紹介がありました。一時的な優秀企業は数多ありますが、持続的に評価されるような「エクセレントカンパニー」はどれだけあるでしょうか?
知識創造企業においては、結果として組織の在り方は”独特で、固有なもの”になるはずです。

それは何故か?

人事を中心に従業員が前述のアナロジー思考などの様々なベーススキルを身につけることで、常に組織の改善を図るのが、知識創造企業の姿だからです。
完成された組織を、様々な側面から観察し、その構成要素を認識する。そして、それらが今の時代や環境に合っているのかな?そんなことを常に自問自答する姿勢が必要です。

ただし、各人の分析や能力に依存していては、組織としての継続的な改善は難しいです。

編集の力を身に付けた従業員が、アナロジーゲームを通して、組織の状態を再構成しながら、さらにそれらを集合知のように表現する過程には、何かしらのワークショップ(対話)が必要です。色々な手法が溢れていますが、特にアナロジーゲームとの親和性も含めて、ここでイノベーションゲーム(R)などするのも良いだろうと考えております。

今回は、アナロジーゲームに関する言語化ということで、イノベーションゲーム(R)の実運用については、また機会があれば挑戦してみます。

アナロジー思考や編集の力が必要なのは、何となくでも理解頂けるでしょう。しかし、実際にそれをやってみようと思うとハードルが高いのが実情です。KJ法などもありますが、おそらく、正しいKJ法を運用できているケースは皆無なのでは無いかと考えます。
そこで、簡単な導入としてアナロジーゲームというのは入りやすいのかと感じております。20個という単語数と、仲間はずれを認めないというシンプルな制約が、自然とアナロジー思考を要求・体験させてくれます。慣れていない人には、脳みそから大汗が出る、辛くも楽しい作業かも知れませんが。

やや乱文気味になりましたが、今の時点での理解を言語化してみました。
ご意見・ご感想などあれば、コメントを頂ければ幸いです。

※イノベーションゲーム(R)は東京大学 大澤教授の登録商標です。

(Y.Nobuka)

どうぞ、Twitterで拡散して下さい!

2012/04/28

【参加報告】創造性ものづくり&創造性工学プロジェクト

本日、2012年4月28日(土) 東京大学 本郷キャンパスにて、「創造性ものづくり」という授業に参加させて頂きました。
http://www.panda.sys.t.u-tokyo.ac.jp/creativity_class.html

全4回(1回90分×3コマ)の構成で、実際にイノベーションゲームの実施までを行うものです。
大澤先生と共同研究をしている関係で、お声掛けを頂きました。

本日は、前半2時間程度で、イノベーションゲームのエッセンス(背景理解)に関する講義でした。いつも、セミナや講演会では長くても30分程度でしか聞けなかった内容を、たっぷり時間をかけて拝聴できて、これだけでも有意義な時間でした。

先生がいつも講演の最初に話されるエジソンのネタがあって(今度聞く方がネタばれになるので詳細は伏せます)、アイスブレークに良いなー、といつも思っていましたが、このネタ振りの返しで聴講者のパーソナリティを推測し、その日の講演スタイルを変えている。 という話を聞いて、「さすが」の一言でした。

生地メーカーさんとの取り組みを通じて、マップに実物を貼ることの大事さを痛感し、以後、基礎カードというゲームカードをマップに貼った状態のゲームを実施している。
これを改めて聞いてきて、ソリューションものは難しいにせよ、なるべく立体的な「製品」そのものが置けるとさらにベストなんだと気付きました。

そこで思いだされるのが、鍋山氏の講演です。
http://kke-keieijinji.blogspot.jp/2012/01/blog-post_28.html

「日本人はモノを通じないと理解ができない。概念力が弱い」

最近、色々な形態、場所でイノベーションゲーム(R)を実施していて感じるのは、そこです。
ならばモノを置いてあげれば、日本人はかなり良い理解・発想が出来るのだろうと考えます。

きちんと大学の授業なので、ブレーンストーミングやKJ法など、色々なアイデア発想法の紹介とその弱点などが論じられており、情報の整理としては良かったです。

後半は、紙版のアナロジーゲームの、個人ワークとグループワークをしました。
(説明)http://www.panda.sys.t.u-tokyo.ac.jp/nishihara/AG_ver7.1c/

2年前に初めて、大澤先生の研究室でWEB版のアナロジーゲームをやった時は、深い意味も理解しなまま取り組みました。その後のイノベーションゲーム(R)も、自分は観察者でプレーヤーではありませんでした。そもそも、初めてだったので、それが意味することが深く理解出来ていませんでした。

あれから2年、様々なゲームをしてきた中で感じていたモヤモヤが、本日少しスッキリしました。

やはり、基礎カード作りの段階からプレーヤーが深く関わるのが望ましいです。
アナロジーゲームもよく出来ています。例外・仲間外れを禁止する制約が、確かに思考の整理に役立ちます。これも、以前の編集力の話であった、ラベルを壊すことに通じています。そして、再構成。

本日は、個人ワークでこれを行った後、4名1チームのグループワークも行いました。厚かましくも学生さんの輪に交じり、楽しくワークをさせて貰いました。今回の授業は、学部3年生が多かったものの、修士1年生、2年生もいて、専門も電子工学から教養学部まで幅広いジャンルにわたっていて面白かったです。

ただ、文系(教養学部)の学生さんは一人で、偶然にも文系のバックボーンを持つ自分が一緒のグループになったのも、何かの縁だったのでしょう。本当は別々の方が、より異なる文化の融合に出会えたかも知れませんが。因みに、わたしの出身は立教大学という経済や観光が強い感じの(一応)ミッション系の大学でしたので、そんなところでも、東京大学に進学している学生さんとは、かなり背景が違っていたかなと感じました(それが良いことなわけですが)

【個人ワーク】
(1)「スマートでロバストな街」を作るためのキーワードを20個考える。
(2)5つのグループに分けて、それぞれにグループ名をつける

【グループワーク】
(1)個人ワークで作った各グループから1つずつ計5個のワードを抜き出す
(2)4名×5個=20個のキーワードを5つ以内のグループに分けて、名前をつける

写真が見にくいところもあるので書いておきますと、個人ワークでは、


「ネットワーク」「装置」「乗り物」「備え」「エリア」

という5つのキーワードに概念構成をしました。
「備え」「装置」「エリア」はどれも、災害へ対する備えになっているもので、アプローチなどにより3分類されました。エリアについては、平常時は、憩いの場や空間として安らぎを与える場ということになります。これはスマートシティとか、ロバストシティというよりは、そこに含まれる環境配慮型の都市のニュアンスが表出しています。
「ネットワーク」も備えの意味が強く、いざ何かがあった時にはソフト面も大事という思いが込めてあります。「乗り物」はスマートシティにおいては、もっと”スマート”な存在であって欲しいということで、公共交通機関などは、ライトレールやモノレールのイメージになっています。

これがグループワークでは、以下のようにかなり概念的なものになりました



「つながり」「しなやかさ」「制約」「循環」「駆動力(※個人的にはスローガン)」

「つながり」「しなやかさ」「循環」というのは比較的、スマートシティやロバストシティを語る時に使われやすい単語かも知れません。しかし、これは我々がビジネスマンだからという一面があります。
学生さんにとっては、案外、こういう話は身近では無く、今日のわずなかワークを通じて、こういうことが内面から出てきたというのが面白かったです。

「制約」はかなり特殊ですね。
色々な解釈は出来ますが、わたしのニュアンスは、多少の制約がある方が楽しかったり、創造性、成長につながる。というものです。

「駆動力」というのは、人を動かすキーワードということです。これは、実際にスマートなロバストシティを実現していく時に、お題目として必要なもの。ということになります。

わたしがこの2つのワークで感じたことは、まさしく、一人で考えていただけでは気付かなかったことが、それぞれの対話を通じて、理解され、概念が再構築される観念を持てたことです。
そして、このような理解があるからこそ、使われたキーワードを基礎カードにして、イノベーションゲーム(R)をやれば、これは何か凄いものが生まれそうな、そんな感覚に捉われました。

結局、この辺のことが出来ていないんですよね。
長文になりましたので、このあたりで終わりとしますが、次回5月26日も俄然、楽しみになってきました。

※イノベーションゲーム(R)は東京大学 大澤教授の登録商標です。

(Y.Nobuka)

どうぞ、Twitterで拡散して下さい!

2012/04/24

会社紹介に寄せて

2012年4月23日(月)。弊社の今年度新人による、会社紹介プレゼンの場がありました。

3グループに分かれて、それぞれの視点から「会社紹介」を行っていました。

演劇調のグループあり、ムービーを駆使するグループあり、と短い時間でよく纏めたなー、という印象でした。一点気になったこと。

あるグループの発表後の質疑応答で、それは時間が無かったので出来ませんでした。というようなフレーズを何回か聞きました。
最初に聞いた時から違和感がありました。

それって、お客さんにも言うのでしょうか?

「時間が無い」は言い訳にもなっていない、ということを自分自身、再認識させられました。

限られた時間で最高のアウトプットを出すのがプロフェッショナルです。
もっと言えば、必要と思えば勇気を持って、期限を延ばすことを提案することも必要です。
自分が出したアウトプットには良い意味での自信と誇りを持ち、心の中に謙虚さを秘めるべきです。

時間が無いことを言い訳にして、やらなかったことを恥じるべきなのです。
考えが至らなかったことを指摘されれば、素直に認め、次は生かすことを考えれば良いのです。
時間がもっとあれば出来たはずです。などと答える輩は、どれだけ時間があっても出来る訳が無いですよね。自戒の念もこめて、厳しいことを書いてみました。
(わたしも沢山、悔しい思いをしてきました。でも納期があるのが仕事なのです)

とはいえ、そこは入社3週間。これから改善されていけば良いのだと考えていますが。はたして、新人さんの中に、この一連の質疑に問題意識を感じる人がいれば、それは大変素晴らしいことです。もちろん、フィードバックシートには、そういうアドバイスも載せておきました。おこがましいですが。

それ以外は、どのグループも素晴らしい発表であり、手前味噌ではありますが中々に頼もしい新人が入って来たなと感じました。許されれば、ここで資料などをアップしたいぐらいです。


■■■ここからさきはご興味ある方のみご覧下さい

特に気に入ったのは、大切なパートナーへ、自分の会社がどういうものかを説明する会社紹介資料。というもの。
パートナー(ここでは男視点で、奥さんになっていましたが、、、)の一日の行動を通して、そこにいかに弊社のソリューションが関わっているかを分かりやすくまとめた資料でした。

もう一つ、このグループが良かったのは、

「?」を「!」にして「ハート(本当は記号)」にする

というものでした。分からないことが、分かって、さらに愛する。そんなフローが表現されています。

愛着感があって良いキャッチでは無いでしょうか。

社会をちょっと良くする会社。 そんな表現では卑近でしょうか。こんな感じのキャッチコピーをつけて、生活シーンになぞらえてソリューションを紹介するのは、一つの形としてはありなのかもしれません。

弊社の全社ホームページは以下です。宜しければどうぞ。
http://www.kke.co.jp/

こういうのも、ある意味での親バカとでも言うのでしょうかね。

(Y.Nobuka)

どうぞ、Twitterで拡散して下さい!

2012/04/23

知識創造企業にいる社員の矜持

「世の中の悩みを解決する」こと。

今回、出落ちですが、新人さん(今年2年目)の定期報告にあった”所感”より。

彼は入社以来、あるパッケージ製品の担当として上司と二人三脚で1年間頑張っていました。
自社取扱製品ですが、ここでは仮に商品Aとしましょう。

当初より、世の中の悩みを解決するために商品Aは何ができるのか? ということを念頭に仕事をしていたそうです(1年目にして、既にその境地にあるのが凄いと思いましたが)

ところが、最近は、目先の売り上げに追われる余り(だと思いますが)、「どうすればお客さんがつくようなセミナ―ができるか」「どうすれば、弊社のソリューションがお客様と接触する機会を増やせるか」というようなことを考えていたそうです。>大事なことです。

で、そのように「どうしたらお客さんがつくようなセミナ―ができますかね?」

というような話を別部門の部長にしたところ、その部長は

「その考え方は稚拙だ。世の中の悩みを解決する、そのために商品Aに何ができるか?ってことを根本に据えて動かないと先が無いんじゃない?」

と叱咤激励されたそうです。
彼の凄いところは、この時に、直ぐに自分が近視眼的になっていたことに気付き、しかも、自分より多忙で考えることが多い部長の方が、こういう視点で見ていたことに驚いたということでした。
(その部長を多少知っているので、らしさがあるエピソードでそこも好感なのですが)

個人的には、部長だからこそ、色々と考えることはあっても、常に考える軸がそこにあるから、だとも思いますが。

知識創造企業においては、社員一人一人は、こういう視点や誇りを持って仕事に取り組むことが求められるのかと考えます。
因みに、このように近視眼的になるのは、担当者である以上、仕方が無いとも個人的には思います。
本来、「世の中の役に立つ」を考えるのはマネジャーやリーダーの仕事であり、実行部隊は、短期的には考えることを止めて、目の前のタスクをひたすら処理することも求められるはずです。
(そのバランスであったり、そうであっても、長期的な視点を持つということが大事ではありますが)

ということころで、以前の「キャリア官僚よりも面白いキャリア」の”キャリア構築3つの視点”に繋がっています。
http://kke-keieijinji.blogspot.jp/2012/02/blog-post_29.html

考えるべきことは多く、正解はありません。正解主義から修正主義へ、です。

(Y.Nobuka)

どうぞ、Twitterで拡散して下さい!

2012/04/19

【実施報告】第3回 新商品開発のためのイノベーションゲーム(R) in 名古屋

2012年4月17日(火) スマートシティを題材にした「イノベーションゲーム(R)」の3回目を名古屋で開催しました。参加者は17名でした。2チームに分かれて、同時平行で実施しました。


【概要】
過去2回の反省を生かし、「スマートシティ」という漠然とした場では無く、「15年後の名古屋」をキーワードにスマートシティの在り方を考える。というような設計としました。
参加者には事前アンケートにもご協力頂き、その結果を基に「健康・安心」と「文化・にぎわい」という2つのテーマを設定しました。

○参加者の注目を集めたのは以下3つのソリューションでした。

【1】高齢者のシェアリング

「シェアリングサービス」と「電子カルテ」の結合
→介護者の負担を減らすため分業、電子カルテで高齢者情報をシェアし、料理・掃除などスキルを持ち寄る。スケジューリングの技術も必要になりますね。個人的には、介護サービスを細分化するという視点が面白いと感じました。
学生が空き時間に介護を提供することも可能になります。

【2】病院が運営するショッピングモール

「ライフログ」と「複合商業施設」の結合
→購入費節約、健康な人と病気がちな人の行動を把握して、楽しいリハビリを実現。つい先日、ワールドビジネスサテライトで、同じような特集がありました。
新しくオープンする「イオンモール船橋」は、30代の家庭層からシニアまでをターゲットにした、かなり踏み込んだ従来には無い形のモールになっています。また、セントラルスポーツがさいたま市にオープンしているスポーツクラブは、高齢者向けのリハビリ施設を併設させることで、スポーツクラブとリハビリ施設の往復を容易にしていました。
買い物におけるPOSデータを、健康管理に役立て行こうと言う視点が面白いですね。

【3】僕らの作る観光ガイド

「インターネット家電」と「パーソナルモビリティ」の結合
→無意識に撮影したものや、データから、自動でリコメンド(推薦)をしてくれる観光ガイドシステム。観光プランやシナリオまでを作成。これは、無意識がやはりポイントですね。実は、弊社で同様の取り組みをしたことがあり、その時にはかなり良い線を行く「レコメンドシステム」を開発しております。
社員の協力による評価でしたが、開発したシステムが”レコメンド”した観光地が、当たり前では無いのだが、言われたら大変興味のあるスポットだった。というものが数多くありました。
レコメンドの分野は可能性が無限大ですね。

【結】
今回は、上記3つにつきグループワークも行ったことで、ソリューションに対する参加者の満足感は高まったように感じました。
一方で、本質的で重要な課題/要求が出されていたにも関わらず、解決の糸口が見えないためか、良いソリューションが提案されない、という課題が如実に出ました。
これも幾つかの解消方法が考えられるわけですが、今後の検討課題となります。

さて、明日は「計測機器メーカー」さんにて、イノベーションゲーム(R)を実施させて頂く予定です。
まずはお試しですが、これをステップに社内にインストールをして頂ければ嬉しい限りです。

※イノベーションゲーム(R)は東京大学 大澤教授の登録商標です。

(Y.Nobuka)

どうぞ、Twitterで拡散して下さい!


【当日の様子】


2012/04/13

イノベーションゲーム(R)の基礎カード完成

来る2012年4月17日(火) 名古屋で開催する、イノベーションゲーム(R)体験セミナで使用する基礎カードが完成しました。

※基礎カード:アイデア発想を行うための、組み合わせ元になる技術やサービスを説明したカード

基礎カード一覧







基礎カード(抜粋)


さて、発想が湧くようなカードになっているでしょうか。
今回は、「15年後の名古屋をスマートシティにしよう!」という副題がついております。
これまでのイノベーションゲーム(R)の実施を通じて消費者ロールの在り方についても仮説が見えてきております。
事前に消費者ロールをご案内し、ゲーム内で実施するロールについて出来る限り、調べて来て貰うことになっております。




イノベーションは市場の潜在的な要求に隠れています。
誰も気づかないが、そこに眠っている”チャンス”を発見するためには、対話が欠かせません。
その際には、消費者の要求も表層的なものになっては面白くありません。
ゲーム中において、消費者が満足するようなアイデア(ソリューション)が提示されなかったとすれば、それは他のプレーヤーが消費者の要求の意図や制約を理解出来ていないということなのです。

要求の裏にある、本当の声を対話によって掴んでいく、という感じでしょうか。

ただし、それは必ずしも聴き手側の問題だけでは無く、むしろ、消費者自身も自分の立場における、意図や制約と言うものを具体的に述べることが大事です。

そのために、事前に消費者ロールに精通して貰う、というフェーズが有効と言うわけです。

また、初めてイノベーションゲーム(R)に触れるという方が多いので、半日のセミナ時間の中で2回ゲームを実施できるようにしました。
そのため、全く同じゲームを行うのも飽きなどもあるだろうと言うことで、2つのテーマを設けてそれぞれにゲームを体験して貰えるようにしています。

詳しくはまた、事後報告などでお伝えする予定です。

15名を予定して募集をしたところ、22名の方にコンタクトを頂き、急遽会場も変更しました。

何とか盛り上がりのあるゲームになることを願うばかりです。来週の名古屋が楽しみです。

実は、金曜日には、某計測機メーカーさんでインハウスのゲームも実施予定ですが、これは公開の許可が取れれば、事例としてお伝えしていくようにします。


※イノベーションゲーム(R)は東京大学 大澤教授の登録商標です。

(Y.Nobuka)

どうぞ、Twitterで拡散して下さい!

2012/03/27

プロフェッショナルとは何か

本日、社内セミナにて内田氏のご講演を拝聴しました。
http://uchidak.cocolog-nifty.com/blog/

今は早稲田大学で教鞭を振るわれておりますが、以前までの職場である、ボストンコンサルティングでの経営コンサルタントとしての経験を基に、プロフェッショナルとは何か。という内容でした。詳しいご経歴は、リンク先のプロフィールをご覧下さい。

コンサルタントのイメージは、”理”が強いのですが、内田様は「想い」を大事にしていると言われた通り、”情”が全面に出たタイプのコンサルタントのようで、話には共感する部分が多かったです。(ボストンコンサルティングでは、異色だったと言われていました)

トピックス

「スキル(技)」と「心(想い)」が重要

料理人の例え話
プロ(一流)は、悪い素材なら、それをどのように美味しく調理するかを考える
火力が弱いコンロで料理を作ることになれば、それに合わせて料理を考える

プロで無いものは、お客が美味しく無かったと言った時に、今日は良い素材が入らなかった。コンロが悪かった。最低なのは、お客に見る目が無い、とか言い出すのでしょうね。

今回の講演における、自分なりの結論は、

一流のプロは結果がすべて。ただし、過程も大事 (結果良ければすべて良しは2流のプロ。。。)

常に、最大のパフォーマンスを発揮するために、日頃から準備をしておける人が、本当のプロフェッショナルのだと感じた。話は脱線するが、東京大学 大澤先生が言われている、「チャンスは準備された環境に到来する」に通ずる話もあった。

フェラーリで有名な奥山氏が「カンブリア宮殿」(村上龍氏司会のTV番組)で、「今でも、毎日100通りのアイデアを書いている」と言ったそうです。
これは、このくらいのストックをしていないと、お客から「こんなデザインできる?」と尋ねられた時に、直ぐに対応が出来ない。ということだそうです。この話を聞いた時、バクマンという漫画の「新妻エイジ」を思い出しました。彼もまた、天才なのですが、子供のころから描きためた絵のストックは膨大な量で、あるシーンで、新しい漫画を描こうとした時に、こんなキャラクターはどうだろう?という話しになった時、待てよ、あれは子供の頃描いた、このキャラクターが使えるかも知れない。

と言って、キャラクターのデッサンを出してきたことがありました。
これもまさに、準備された環境に到来するチャンスなのかと感じました。

聞いて楽しい武勇伝というのは、そういった準備が不足していたものを、現場の機転などで何とか回避した、解決した。というものもありますが、本当に凄い人と言うのは、こういったことを全て事前に出来るだけ潰せる人なのだろうと感じた。そこに、想定外という”言い訳”はありません。
自分は凡人なので、なおさら、必死にストックを貯めないといけないのかなと、感じる次第でした。

さて、この話が知識創造企業にどのように繋がるだろうか。
実は、このようなプロフェッショナルを支える一番の根幹は「意識」だと考えている。
結局、笛吹けど踊らずでは仕方無いのだ。

この点、内田氏に質問したのだが、残念ながらボストンコンサルティングに入社されるような方々は、そういう前提は持ち合せているので、心配するところでは無い、とのことで、想定通りの回答でした・・・。

真のプロフェッショナル集団としては、これも一つの組織の形ではある。このような中で、お互いが高め合える組織は凄い。
しかし、我々が本当に目指すべきは、プロの手前にいる人間の意識改革や、意識を変える気が無いような社員をどのように処遇していけるか、なのだろう。その時には、人事部が中心となって、親身になり彼らの話を聞きながら、キャリアなどを一緒に考える癖をつけるような取組が必要なのかと感じた。

いずれにせよ、知識創造企業においても、完全なる受身というのは許されないのかも知れない。(個人的には強くそう考えるが、では、受身人間をどう遇するべきか?排除するのか。意識改革させるのか。ただ受け入れるのか。拙速に答えが見つかるものでは無いのだろう)

発信をするということが求められる。とにかく、恰好悪くても良いから、自分の考え・アイデア・想いを表明することが大事なのだ。それを無視するような職場は論外だが、受け入れ、みなで高め合っていける。そのような仕組みが必要になってくるのだろう。そこで参考になるのは、「自己成長する意思表明の仕方」だろう。以下のブログ記事をご参考下さい。
http://kke-keieijinji.blogspot.jp/2011/08/blog-post_20.html

そして、何かと都合の多い日本人の本音や内なる想いを引き出すには、KeyGraphやイノベーションゲームⓇも有効なのだが、これはまた、別のお話。

※イノベーションゲーム(R)は東京大学 大澤教授の登録商標です。

(Y.Nobuka)

どうぞ、Twitterで拡散して下さい!

2012/03/22

重要無形文化財(蒔絵)保持者のご講演

人間国宝であられる「室瀬和美」氏の講演を拝聴してきました。
http://www.murose.com/

東京大学医科学研究所の勉強会一環だったのですが、シアターテレビが入ってました。
http://live.nicovideo.jp/gate/lv85880465
 最後の質問者は、自分です・・・

「今に生きるうるしの文化」というタイトルでした。

漆の歴史に始まり、漢字の成り立ち、科学的・学術的な研究結果まで非常に幅が広く、中身の濃いご講演でした。
正直、「うるし」に強い興味があったわけでは無かったのですが、講演を拝聴して目から鱗でした。

本ブログに通ずるところで気になった箇所は、

漆器の品質は、ボディが9割。屋台骨。素材である木だけでなく、その下地作りによって決まる。

下地作りとは、完成してしまえば素人には全く分からないもの
(逆に言えば、下地が適当でも仕上げを綺麗に行えば、それなりに見栄えがするものができる?!)

実際、素人には判断が出来ないそうです。プロが見れば、分かるそうですが。
質問でもあったのですが、じゃあ素人はどうやって見分けるの?というと、、、値段しか無いとか、、、

さらに、本当に良いものを作るには、20年~30年かけて完全に乾燥させた木を使う
そうすることで、乾燥による劣化を防げる
(その証拠に、マリア・テレジアが収集していた漆器は今なお原型を留めている)

下地もそうだが、手を抜こうと思えば簡単に手を抜ける。結果、安い製品が大量に作れるだろう。
しかし、そうすると結局は土台が劣化していくという悪循環がある

組織も、仕事(プロジェクト)、料理だって、何にでも通ずることですね。

また、室瀬氏はうるし文化を広く普及していきたい、という中で既成概念に捉われず、様々な分野にチャンレジされていた。

ハープ、チェス盤、葉巻入れ、、、

既成概念や思いこみは、自分の世界を狭めるだけでなく、現実をミスリードしてしまいます。
組織作りの際も、最初に作る土台が大事なことは言わずもがなですが、そこから既成概念や思いこみに捉われず、どのように変化へ対応していくのかが、大事ですね。

最後に、本当に良いものほど乱暴に扱っても(語弊があるが)大丈夫らしいです。
漆は一度固まってしまえば、硫酸や塩酸でも溶けることが無く、王水と呼ばれる金を溶かす酸にだって耐えるそうですよ。だから、洗剤なんかで劣化することはまず無いそうです。。。熱にも強いとか。物理的な衝撃は避けた方が良いので、食器洗い機はダメだそうですが。

<その他、こぼれ話>

おわん、という字は用途によって3つある

茶碗 (PCが勝手に変換するから気付きませんが、ちゃんと”碗”の字が変換されます)
飯椀 (木へんです) 
金属の鋺

茶碗は、茶室でお茶を飲むことを想像すると分かりますが、グツグツと熱い湯でお茶を点てるのですが、そのあとは直ぐに飲んで欲しいから、直ぐに冷める熱伝導率の良いものということで、石が使われていたそうです。
それに対して、飯椀は、木の椀なのですが、木は逆に保温効果が高く、熱々のご飯を入れれば20分でも30分でも冷めないそうです。良く噛んで食べましょう。と言うが、茶碗に入れてしまうと、確かに10分ぐらいでご飯が冷めてきますよね。
ということで、ご飯は”お椀”に入れましょう。というのが室瀬氏の提言でした。
そもそも、「ご飯茶碗」なんて日本語は無い!と言っていましたが。

伝承は不変に伝えていくもの
伝統は変わらなければいけないもの

漆の生息域は、東洋のモンスーン気候である、日本列島、朝鮮半島、中国大陸(最西は、ブータンだとか)
ウルシ科の植物は他に、マンゴーやカシューナッツなども

ヨーロッパの人々は、漆器のその素晴らしさに、漆や漆器のことを「japan」と呼んでいたそうです。
陶器を「china」と呼ぶのと同じですね。残念ながら、「japan」の方は廃れてしまったようですが。

元々は、桼という漢字が入ってきたが、日本ではその水気の多さから「サンズイ」がついて、今の漆になった。

最後は冗長になりましたが、良い経験をさせて頂きました。
実際の作品も拝見しましたし、作業工程も一部見せて頂きました!

(Y.Nobuka)

どうぞ、Twitterで拡散して下さい!

2012/03/13

編集術について

先日、編集工学研究所の大川様によるワークショップを体験しました。
http://www.eel.co.jp/

詳しい内容は先方のノウハウに触れる部分もありますので割愛しますが、実は編集を志したことのある筆者にとっては大変興味深く楽しいものでした。※とはいえ、ノウハウを知っていることよりも、その使い方をワークショップで学べることに価値があるので、むしろノウハウは公開した方が良いのかも知れませんが。

編集術と表現されていたのですが、プロセスはまさに「イノベーション」の起こし方、という感じだったのでその点について記載をします。以下は、わたし個人の考えを書いたものになります。

思考プロセスは、収束と発散の2パターンに大別できる。
自分の思考が今、どちら側にあるかを考えることは有用である。
思考の際には、知らない内に経験に基づくフレームに陥っている。
何かの物事を認識する時、無意識にラベル付をする。例えば、リンゴを見れば赤い果物と認識する。その認識を持っている内は、リンゴでキャッチボールをしようという考えには至らない(してはいけないし・・・)
例が下手で恐縮ですが、発散が苦手という方は、こういうことが出来ないということなのです。常識的に、それはしてはいけない。と、”常識”を持ちだした時点で思考がストップしている。

この思考の枠を外す方法は巷に溢れているが、一つ意識すると良いのが、今行ったようなラベルについて考えることだ。
リンゴは、果物以外になんだろうか?形は球体だな。お店においてあれば商品だな。美術館にあれば、芸術品かも知れない。このように、状況を変えて考えていくことで、思考の枠を外す一つのヒントが得られそうである。

実はこれは、イノベーションゲーム(R)にも応用したいと、常々考えている。
これまでのイノベーションゲーム(R)は、アイデアの元になるカードと、消費者役のニーズによって新たな発想が行われる。しかし、やはり発散に慣れていない人々にとって、この過程は難しいものである。そこで、あるタイミングで

「朝だったら何がありますか?」
「会社だったらどうなりますか?」
「受験勉強ではどうでしょうか?」

などの教示を与えることで、思考の枠を意識的に外すプロセスを提供できるものと考えている。
ただし、では、どんな教示が良いのか。ファシリテータ―が意図的に言うのが良いのか。など色々とありそうではあるが。

まあ、今回のワークショップを通じても思うことは、結局は発散と収束(選択と組み合わせ)が基本なのだなと言うことです。特に日本人は発散フェーズが苦手であり、自覚している方が多く、先日も大手企業の部長さんが、本当のブレーンストーンミングが出来れば、イノベーションに繋がるアイデアは出てくる。

と言っていましたが、大方、その通りだと思います。ただ、本当?のブレーンストーミングというのが、まあ出来ないわけですが。ワールドカフェにその可能性を見い出す方も多いかと思いますが、次に、収束フェーズが下手くそ、という問題が続きます。悩みは尽きません。(収束フェーズがファシリテータ―のスキルに依存します)

イノベーションゲーム(R)には、その両方をクリアするエッセンスがあると感じています。クリアすべき課題は多いですが、優秀な個人に依存をしない、イノベーションの形というものが作れるのは、このゲームが一番可能性があると思います。ご興味ある方は、お気軽にお問い合わせ下さい。企業内での実施なども受けております。
https://kke.smartseminar.jp/public/seminar/view/143

※イノベーションゲーム(R)は東京大学 大澤教授の登録商標です。

(Y.Nobuka)

どうぞ、Twitterで拡散して下さい!

2012/03/12

第3回 新商品開発のためのイノベーションゲーム(R) in 名古屋

本セミナ―もお陰様で第3回を迎えることが出来ました。詳細はこちら。
https://kke.smartseminar.jp/public/seminar/view/562

3回目にして、タイトルも若干変更となっております。わかりやすく、イノベーションゲーム(R)そのものとしています。

過去2回を振りかえりますと、参加者の皆さまには、イノベーションゲーム(R)の楽しさは体験して貰えました。また、消費者視点でのゲームプレイや対話の在り方も好評だったと感じております。

その反面で、初対面のメンバーが1回限りでプレイするイノベーションゲーム(R)は、どうしても発想されるアイデアに限界があります。出されたアイデアがイマイチ、ということです。

出来る限り、この点も改良したいということで、これまで検討を重ねてきまして、ついに一つの方向性が見えてきました。新たなイノベーションゲーム(R)をどうぞ、ご体験下さい。残念ながら名古屋での開催となりますが。東京や大阪など、別地域での開催をご希望の方は、下記までご連絡下さい。
https://kke.smartseminar.jp/public/seminar/view/143


※イノベーションゲーム(R)は東京大学 大澤教授の登録商標です。

(Y.Nobuka)

どうぞ、Twitterで拡散して下さい!

2012/03/10

若返ることが活性化では無い

とある会社の記事で、「十数年続いた体制を一新し、若返りで活性化」というような内容がありました。社名は伏せます。

経営陣の平均年齢が10歳ほど若くなり、40歳代前半になるそうです。
記事の中に、

創業以来初となる経営陣の刷新に「社内は俄然活気づいている」(社員)

ポイント、ここですよね。
若いことが偉さでも、活気でもありません。若くても保守的な考えの人もいれば、ベテランでも革新的な人はいます。

まず同社の問題は、十何年も続いた成長の中で、創業メンバーが中心に居続けたことです。
創業当初はベンチャー企業で、活気にあふれていたでしょうが、気がつけば企業も大きくなり、固定化された組織の中では、自然と利権が発生し、派閥などが生まれます。目に見えていなくても、そんな風になります。

大事なことは、ベテランであれ、若手であれ、今あるフレームを疑えるか、の一言に尽きると考えます。
年配の方が不利(有利の裏返しですが)なのは、多くの体験を蓄積しているために、知らず知らず、意思決定が固定化していることです。その中には、過去の成功体験、失敗体験が”無意識”に反映されています。この無意識が怖いわけですが。

また、自分の成功体験と違うストーリーを言われた時に、まず、そのストーリーの何が優れているのか、という視点で考えられるかが大事です。意外に難しいです。そこで異質な文化とコミュニケーションすることが肝要になります。
だから、わたしはイノベーションゲーム(R)という対話手法(誤解のある表現かも知れませんが)を大澤先生から学んでいる?わけですが。

言いたかったことは、組織の活性化に必要なことは、若さと言うより、異質なもの、なのだということです。
同質化している中で、自分たちを省みることができる時は構いませんが、普通、それは難しいことなので意識的に異質なものに触れることが大事なのでしょうね。だから、ダイバーシティ(多様性)とも言われるわけです。決して、イノベーションのためだけではありませんね。
また、知識創造企業においては特に、組織の在り方を常に省みる姿勢と仕組みと能力が必要となるなあ、と考える次第です。

人事部に求められることは、組織を観察する力、定量的に調査する仕組みや分析能力、そして状況を深く理解するためのシミュレーションというところでしょうか。この辺、優秀な人事マンの力量でカバーしているというのが現状かと考えます。

※イノベーションゲーム(R)は東京大学 大澤教授の登録商標です。

(Y.Nobuka)

どうぞ、Twitterで拡散して下さい!

2012/02/29

キャリア官僚よりも面白いキャリア

というタイトルの講演を聞いてきました。
http://www.academyhills.com/school/detail/tqe2it00000gtpa3.html

講演者は、朝比奈氏と金田氏。元官僚で同期だそうです。
キャリアの勉強として、興味本位で参加したのですが、かなり面白かったです。
(以下、質疑での内容は朝比奈氏と金田氏の発言が混同している可能性もありますがご了承ください)

朝比奈氏は、経済産業省にいる間に「プロジェクトK(新しい霞が関を創る若手の会)」というものを立ち上げ、実際に内部改革をされていたとのこと。しかし、改革の中でそもそもの”仕組みに”問題があるのでは無いか、ということに気づき、ついに役所を飛び出して、「政策づくり」「人づくり」を実現するために青山社中という組織を作った。

最近の官僚は根回しばかりに力を注ぐようになっており、官僚には昔のような「高い専門性」が求められる。
九九で人生を考えるという京都大学の森先生の引用は興味深かった。各段の九九で人生の節目を考える。
16歳→25歳→36歳→49歳→64歳・・・

36歳というのは、元和田中学校長、藤原氏も「35歳の教科書」で指摘している年齢に近く興味深い。
キャリア的に考えても、10年近い下積みを積んで、視野も広くなってきて、気が付けば自分より年下の方が多い、というような状況もあるだろう。

金田氏は大蔵省に入省し、アジア通貨危機を体験した。役所では、決まった結論に”言い訳”を考える作業が多かった。官僚(同僚)の優秀さに比較して、組織のパフォーマンスの低さに驚いた。その後マッキンゼーへ。さらに「游仁堂-ようれんどう」という中国向けファッションの会社を設立。

曰く「都市人口の比率は1963年、人口ピラミッドは1985年(日本と比較して) まだまだ夢がある!」 弊社でも同じことを言っている方がいるなー。尊敬している偉い人ですが。

キャリア構築3つの視点

3つの視点からキャリアの話
短期的な視点としては、そもそも論は語らずに、手段(how)を追及して仕事に専念すること。
しかし長期的には、働くことの意味、生きることの意味を問いかけること。そして、それは何かしら行動に移しておくことが大事。

ありがちな2つの両極に対して、大事なのは真ん中の”what”だろう。
これは、1年~2年というスパンがあれば、それなりに事を成し遂げられる、ということ。
その時に、現有のリソースに文句を言って、出来ない。と結論するのではなく、どうしたら出来るのか。”何”をすることが最大の価値を生めるのか。

こういったことを考えることが大事。これはプロフェッショナルにも通ずると感じた。

今の日本に対する提言?
1)されど成長 ・・・目的関数を1つにしてみる
2)弱みを強みに変えること

成長してこそ、という考え方が背景にある。
高齢化社会だから成長は無理、とか考えずシンプルに「どうしたら成長ができるのか」ということを考えることも大事。
例えば、

60歳から人生をリセットする。義務教育に戻る。というのは面白かった。
強制的に学校へ入学させることで、60歳が会社(ビジネスの現場)から消える。すると、自然と59歳を頂点とした組織が完成する。大胆なアイデアだ。
さらに、2年間の教育期間として、直ぐに卒業させると、そこからまた再就職するための就職活動などのビジネスが活性化するかも知れない。現実離れしたアイデアではあるが、本気になれば不可能では無いだろう。これが正解では無いが、確かに目的関数を一つにしてみる、というのは良い頭の体操になると感じた。とかく、世の中は複雑に見えるので。

中国人は、最初に偉人の言葉を引用する。今のエリートに足りないのは、自信とチャレンジ精神。
渋沢栄一や坂本竜馬などの偉人の若い頃の情熱をもっと学び、刺激を受けるべき。

キャリアの形は様々だな、と改めて感じました。
やはり、これからの社会で求められることは、誰かがキャリアの絵姿を描いてあげて、そのレールを選べるようにする。というようなことでは無く、3つの視点のようなフレームはあっても、その先を考えるのは一人一人の責任なのだろう。

社会もそうなんですが、1人称で物を語れない人が増えているかも知れません。
自分も時として、他人の言葉を振りかざしているかも知れないと反省。批評家多いし、国がダメだ、政治がダメだと言うけれど、民度以上に政治は良くならない。という言葉もある(あ、また他人の言葉を・・・)

講演会には、4月から入省する人や、入省2年目の若手などもいたようで、彼らへのメッセージとして一つ「隣の芝生は青く無いよ」

と言っていたのが印象的でした。隣の芝生は青い的な発想で行動を起こす人は、いつまでも失敗するのかと。やはり、whyやwhatに基づいて行動を起こさないと、後悔に繋がるのでは無いかなーと感じました。
(Y.Nobuka)

どうぞ、Twitterで拡散して下さい!

2012/02/08

博士の飛翔:チャンス発見ラボ経由・新天地へ

共同研究をしている、東京大学の大澤幸生先生の研究室で、タイトルのようなセミナがありますのでご案内まで。

日時:2012年3月17日(土) 13:15~18:00ごろ
場所:東京大学・本郷キャンパス工学部(詳細未定:変更の場合も含め2月に掲示予定です)
http://www.panda.sys.t.u-tokyo.ac.jp/seminar17March.html

個人的にですが、夕方の懇親会にも参加をさせて頂く予定です。
ご来場される方、どうぞ宜しくお願いします。

一つ一つのタイトル講演を見ると、非常に魅力的です。
社会人学生(研究者)の方も多く、現場に根付いた学問についての含蓄ある話が聞けるものと楽しみにしています。

(Y.Nobuka)

どうぞ、Twitterで拡散して下さい!

2012/01/28

日本企業の設備投資動向と海外展開

というタイトルの講演を聞いてきました。
講演者は、日本政策投資銀行チーフエコノミスト 鍋山徹氏。


物事の本質に迫る素晴らしい講演でした。

気になったキーワードを中心に感想。

日本人はアナログに強い。ややこしいことするのは、日本人ぐらいだと。
和菓子は機械で作られるが、洋菓子は基本手作り。それは、お菓子を機械でつくるということが、ややこしいので西洋人はやらない。という指摘。その延長で、萩の月と東京バナナは同じ機械で作られている。しかし、味は違う。それは材料の配合がアナログであり、企業秘密だから。
このように、デジタルの中にもアナログが入ると、日本人の強みが発揮され真似されにくい。なるほど。それは、生産工程に人手を入れるというのもアリとのこと。そう言えば、今の主流は工場の完全自動化ですね。この先、どうなるのかなー。
配合に妙があるというのは、素材・化学が強いことにも通じている。という指摘。

都市伝説は100ある内1つは本当が混ざっている。TwitterやFacebookも嘘が99%(たぶん極端に表現しているが、それは多くが伝聞により書かれているということ)。だから、本当のことを見極める力が必要。それは情報に(限らずあらゆることだが)依存せず、自立せよ。というメッセージ。確かに、専門家や著名人の意見・講演を鵜呑みにするのは危険ですね。自分の意見を持たないといけません。

経済成長の推移と要因によれば、人口が与える成長への寄与度は1%以下。つまり、人口減少社会だからお先真っ暗というのは、必ずしも正しいとは言えない。実際に、「人口の話は確かに経済成長の要因ではあるが、それよりも新しく富を製造する(イノベーションを起こす)ことが大事。イノベーションによる将来性を過度に悲観すると、期待成長率が下がる。
つまり、著名人やマスコミが「6重苦」とか「日本は衰退の道しか無い」とか過度に宣伝することが、本当に衰退を起こすようなパラドックス。もっと日本人は自分たちに自信を持って、将来へ楽観的になる必要もある。同感です。

鍋山氏はクラウド(IT)に非常に可能性を感じられているようでしたが、この辺は難しい問題だと思います。
クラウドファンディング(ネットを通じて個人が任意のPJへ投資ができる)も可能性が高いと。
例えば、東北の個人商店が震災から立ち直り店を再開するための開業資金に1000万円が必要として、おそらく今の銀行はこういったところへ貸出が出来ない。それを、クラウドファンディングでやりましょう!ということなのですが。
これって、知る人は知る、ソーシャルレンディングとは、違うものなのでしょうか。これは、余り上手くいっていないという話を耳にするのですが、一度しっかりと調べてみたいです。

部品点数にして、30-30,000点が日本が強みを発揮する。工場のマネジメントが可能だから。つまり、本社支配が無い。日本は工場は強いのに、本社が弱い。本社はTQCが出来ていない。うーん。東大の藤本先生も同様のことを言われている。実に80%の会社が本社が弱い。しかも、増加傾向にあるとか。

良い社長の見極め方。
「社長が一人で現場に行っているかどうか」
とのこと。確かに、ありそうですね。今後、注目してみよう。

奥山清行さん(フェラーリのデザインをされた方!)のプレゼンは日本一!是非、一度聞いた方が良い。出張してでも聞いた方が良い。とのこと。
うん。機会があれば聞いてみたいです。
プレゼンとは伝えることなのだから、もっと伝わるように考えよう。という指摘。鍋山氏は食事の例えを多く使いつつ、食事をする時にまた思い出せるでしょう。とのこと。なるほど。相手が理解できる比喩やたとえ話を沢山考えないと駄目だな、と改めて感じます。

儲かっている人は黙っている。損?をしている人が騒ぎたてる。確かに(笑)

大企業に限った統計だが、海外投資は確かに増えているが、国内投資も半分近くが増やしている。減らしているのは1割程度。つまり、決して国内投資を止めて、その分を海外投資に回している、と言うわけでは無い。一つの統計的事実ですね。

日本人はモノを通じないと理解ができない。概念力が弱い。という指摘。
であれば、全てにモノを絡ませて発想するようにすれば良いのでは無いだろうか。

都市は「人材の多様性を受け入れられるか」
ビジネスは「差異性があるか」

それが重要。

AKB48は全体最適でメンバー同士が高め合っている。
日本の技術職では、足の引っ張り合いがある(らしい)。それは、雇用に流動性が無く、その場所をみんなが守ろうとするので、勢い相手を蹴落とす方向に行く。出世争いもその一つでしょうかね。
ちなみに、アメリカは成果主義なんてやっていないよね。という指摘。日本人は、成果主義の一側面だけをくそ真面目に実践してしまったんですよね。しかし、昔ながらの日本的終身雇用にも弊害があり、今の社会に適合していないのも事実で、そのような意味ではハイブリッド型か、全く新しい在り方かを考えていく必要があるわけですね。これが難しいですね。

その他、遺伝子の話からチョウザメの養殖まで、本当に多岐に渡る話があり内容の濃い講演でした。
日本の未来を明るくするための、具体的な話は無いが、だからこそ本質に迫っており個人的には有意義な2時間でした。即物的な答えを聞こうとしていた参加者がいたとしたら、肩すかしだったでしょう。でも、そういう方々もその本質?に気付いたのであれば、本当に有意義なことなのだと感じます。

最後に、
プロは出来る方法を考える
アマは出来ない理由を言う

みんながプロフェッショナルになれると良いですかね。
少なくとも、知識創造社会においては、全員がプロであるべきでしょうね。弊社も、そのようなことを標榜する企業ですので、全社員にこういう意識を持たせる教育なども必要になってくるのでしょうね。自分も、ともするとアマになっていることがあるので、反省の念を込めつつ。さて、どうやったら”このビジネス”が上手く行くのだろうか、風呂に入りながら考えようかな。

散漫な感想で恐縮ですが、お付き合い頂きありがとうございます。
機会があれば、一度、鍋山氏のご講演を聞かれることをお勧めします。弊社の社内セミナでご講演を頂けないかなー。本当の日本人、その強みとは。みたいなタイトルで。

(Y.Nobuka)

どうぞ、Twitterで拡散して下さい!

2012/01/27

イノベーションゲーム(R) 実施報告

去る1月26日に、感動創造研究所、ムラヤマの方々と弊社、環境ビジネス系メンバーにて「スマートシティ」を題材にした合同イノベーションゲーム(R)を実施しました。

ムラヤマ様のホームページはこちら。
http://www.murayama.co.jp/

参加者10名 (弊社から5名、先方から5名)

多くの方がイノベーションゲームを初体験でしたので、発想をすることに重きを置いた形で実施しました。

主な消費者ロール
「農家」「高齢者」「旅行者」「学生」「イベント事業者」など

組み合わせる技術(以下、基礎カード)には、スマートシティに関する一般技術を選定。これまでに名古屋で開催していたセミナと同じものです(以下のマップをご覧ください)

毎度のごとく、KeyGraphによりマップ化(可視化)しているものになります。より詳しく知りたい方はお問い合わせください。
問い合わせ窓口 https://kke.smartseminar.jp/public/seminar/view/143

起業家4名、消費者6名(消費者はポートフォリオから5つまでを自由に選択可能)でゲームスタート

今回は消費者イノベーションを主眼としており、まずは様々な消費者からニーズが出てくるのを待つフェーズとなりました。起業家は、積極的に基礎カードを購入しました。最終的には、「インターネットコミュニティ」以外はすべて購入されました。

多少、自由なイノベーションゲームとしましたので、ゲーム後半では消費者も混ざって、みんなでアイデア発案をするような状況となりました。
印象的だったのは、起業家同士が、自然とお互いに協業を始め、発想を支援しあっていたことです。優秀な基礎カードというのはみんな共有される結果となりました。例えば、「ネットスーパー」や「次世代自動車」がそれでした。ある起業家が出したアイデアに、別の起業家が「ネットスーパー」も組み合わせて、さらに良いアイデアになるよ(だからネットスーパーを買ってくれ)というような積極的な交渉が活発でした。
消費者として行政担当者を誰も選んでいなかったのは、事後振り返りでみんなで興味深いところでした。消費者視点のスマートシティという中では、行政担当者は消費者では無いのでしょうかね。

最優秀起業家になった方は、出しているアイデアも一番多かったです。

「移動式植物工場(産直!)」や「住んでいるだけで健康になる家(病気にならない)」

などは面白かったです。今回は比較的、農家や高齢者といった立場の方が多く、出されたアイデアもそれに関連するものが多いイノベーションゲームになりました。活発なイノベーションゲームを印象付けるものとして、途中で5分の休憩を挟んだのですが、喫煙をされる方以外は、その場に残って勝手にゲームを継続していました。

終了後には以下のようなマップとなりました。

参加者の主な感想
・頭の体操として、今後に役立つかも知れない
・事業の組み合わせ方とつなげ方の思考力を高めるので、業務の役に立ちそう
・移動しないと思っているものを、移動させるという発想が出たのが面白かった

その後の懇親会(2次会)では、前回(http://kke-keieijinji.blogspot.com/2011/10/r.html)は参加されて、今回は見学に回られた先方の担当者から、以下のようなフィードバックを頂きました。

今回の人選は、会社を担っている一線級の人材とした。それがためか、来るまでは実はネガティブな反応が強かったらしい。渋々行くけど、ゲームが終わったら直ぐ帰りますよ。というトーンだったとのこと。
ところが、蓋をあけてみると、皆さん生き生きと参加されていて、そのような心配は杞憂だった。懇親会(1次会)も喜んで残ってくれていた。とのこと。相変わらず、頭の体操として非常に有益だと感じ、会社の研修にも取り入れたい、という旨のリップサービスも頂いた。

何はともあれ、イノベーションゲームの”ゲームゆえの楽しさ”が出た、良いワークショップになったと感じます。
関係者の皆さま有難うございました。ファシリテータ―としては一安心です。次は2月3日に名古屋のメーカーでやります!

※イノベーションゲーム(R)は東京大学 大澤教授の登録商標です。

(Y.Nobuka)

どうぞ、Twitterで拡散して下さい!

2012/01/12

【四方山話】人事におけるデータベース事情

よろしければ、先に以下の記事「人事情報のデータは整備されていますか?」をご覧下さい。
http://kke-keieijinji.blogspot.com/2012/01/blog-post_12.html

この話は、人事マン同士の交流会などを通じて得た知見に基づいています。
こんな例もある、ここは違うだろう。など、多くのご意見を寄せて頂けると有難いです。

(ここから)

ある程度の規模の会社であれば、データベースで人事データを管理できていない会社は希少だろう。
(超急成長ベンチャー企業では稀に例外ケースを聞く)
パッケージにせよカスタマイズにせよ、ある程度の「よく有りがちな情報」や「法定の情報」などは簡単に定型で帳票化できることは多い。

これらは、労務管理的な情報(労基その他法律による管理要請や労働者の賃金と労働時間の管理の為の情報)が殆どで、戦略人事的な情報活用、人のモチベーションを上げる為の分析、長期能力育成の視点、要員の人数合わせ以上の”構成の長期的検討”の為の情報、等々は取り出すための手段がそもそも準備されていないことが多く、SQLなどを自在に書ける人が居ないので、手つかずになっていることが多いようだ。

また、現実にDBの使い勝手で困るシーンとしては、前述したような高度な目的以前に、行政や業界団体等からよく依頼される「調査」(アンケート)に回答する際など、何年何月何日から何々までの間の特定職種(たとえばSE)のランク別平均人員は?、同じく期間を切って○○や△△の教育を受けた人の男女別の人数などのように、

独自の複雑な条件を指定されて、カウントやリスティングすることが必要な場合に、データを丸ごとCSVで全出したり、月次で何枚も出したりして、エクセルで条件に合わせて加工していくしかなく、その手間が困るわけだ。
(調査を無視するということが、どうなるのかは少々生々しい話なのでここでは控える。人事マンの方々なら察して頂けることだろう)

このような依頼・指示は、経営や顧客に提出を迫られた部門からも時々出てくる。 
このレベルのものが実は一番厄介では無いか。あらかじめツールで対処できないので、結局は現場に、ある程度高いITスキルを持った人がいるのが最も効果的なことになる。
(適切な要員が居ない企業では 適当な数字が出ているか、DBを使わず人力で数えているのではないか・・・苦笑)
(残念ながら、さすがにこの問題は人事ビューワーでも完全解決できないところが悩ましいのだが・・・)

(ここまで)

各社毎の課題を論じるのは戦略レベルです。
今回の話は、業務効率化の側面も多く、このような作業はオペレーション人事であるので共通化して対応が可能だと考えます。それはつまり、システム化での対応余地が大きいということです。
そうして、効率が上がることで戦略を考える余裕も生まれてくるのでは無いでしょうか。
マズローの欲求段階説では無いですが、基本的なところが満たされていないのに、自己実現(戦略)などと言っている場合では無いでしょう。

これからも、実行度の高い、効率化側面と戦略側面の2面で多くの人事部の支援を出来れば嬉しい限りです。

(Y.Nobuka)

どうぞ、Twitterで拡散して下さい!

人事情報のデータは整備されていますか?

以前から考えていることですが、ここ最近特に聞く話。

人事情報のデータが整備されていない。

程度の差がありますが、このような課題・不満を抱えている企業は多いのでは無いでしょうか。

最低限のデータは蓄積されているものの、様々な分析を行っていこうとすると、例えば業務履歴や研修履歴、スキル・能力の情報といった基本データが無い。
こう言った話は、システム化とは別の、いかに効率よく継続的に情報を集めるのかと言う問題である。この解決は非常に難しい。最近ではアウトソースする会社も出てきているようだ。

また、このようなデータ収集・分析が一過性の確認で終わってしまい、継続的なプロセスの改善に至らないケースも多いように感じる。

ではこんなことが出来ますよ。と言うとあったら便利なのだが、そもそも戦略人事の思考プロセスが根付いていない企業においては、それ以上の価値を見出すことが難しく、投資がされない。ということもある。

外販されている人事情報システムには、似たようなことをするためのモジュールはあるようだが、投資が高価であり、DBの操作は、熟練していない人間には難しいという問題もある。

そこで、弊社で以前より考案している”人事情報ビュワー”の出番である。
このビュワーは、理想的には経営や人事担当が欲しい全ての時系列を含めたデータをサクサクと検索・可視化するものである。

構想が非常に大きいため、中々、開発に至らずにいる。
しかし、例えば(人事情報)データベースに溜まったデータを難しい操作無しで、欲しいデータが取れるようになるとしたらどうだろうか。これは人事の方にとって効率化という面でも、戦略立案という面でも役に立つだろう。大きな構想に捉われることなく、まずは簡単な便利ツールとしての開発を進めても良いのかも知れない。

我々の付加価値は、こういったデータを検索し可視化した後に、整備して分析していくところに置いていますので、今回簡単ツールとして企画しているこのシステムの”DB部分”は無償で配布しても良いのでは無いかとも考えている。それが、戦略人事の実行を活性化させることを期待しつつ。

 【システムイメージ】
 メインのDBから必要なデータを取得する小回りの利く人事部専用DBと
 それを使って定型分析等を簡単に出力するツール群からなるシステム

もしも、このようなシステム(ビュワーのごく一部)を使ってみたい、という人事担当の方がいらっしゃいましたら、お気軽にお問い合わせ下さい。期間限定になるか知れませんが、無償でご利用頂けるように手配したいと考えております。万が一、一定数に達した場合には先着順とさせていただきますので、ご興味のある方はお早めに。 ※ツール提供を保証するものではありませんので、その点、ご理解下さい。
問い合わせ窓口 https://kke.smartseminar.jp/public/seminar/view/143

こういったツールがあると、経営から「○○のデータを出してくれ」と言われた時に、一発検索で簡単に可視化が出来るようになります。大変便利ですね。また、継続的にこのようなデータ分析を行っていくことで、より高度な人事戦略の立案が可能となるでしょう。どこまで実現できるか、そもそも、そう言った方向性へ行くのかは今後次第ですが。

(Y.Nobuka)

どうぞ、Twitterで拡散して下さい!

2012/01/09

柳井正 わがドラッカー流経営論

3連休に「柳井正 わがドラッカー流経営論」(NHK「仕事学のすすめ」制作班・編)を読み返しました。

この本は、同じ山口県出身で尊敬する柳井さんについて知ろうと思って、以前に買いました。
ついでに、ドラッカーについて学びたかったが、”もしドラ”以外で何か読みたい、というのもありました。

本書は、NHKの制作班が編集しているので、直接、柳井さんが書かれているわけではありません。
しかし、最大限に柳井さんの言葉が引用されていますし、ほとんど、柳井さんが書いていると思って読んでも違和感無いです。

そこでは、「知識労働者」と「企業は社会の公器」というドラッカーの言葉が中心に語られています。

いずれも、知識創造社会のメインとなるキーワードです。
ユニクロでは、一人一人の社員が個人商店主となり、現場を知る自身が考え決断することを求めています。その結果は、半期毎にレビューされる非常にシビアなもののようです。

知識創造企業の一つの在り方としては良いのでしょうね。
ユニクロの実態は分かりませんので、一般論で書くと、知識労働者は上意下達で動くという存在ではありません。
自分で考え、判断して、顧客への付加価値を創造していく存在ですので、そう言った社員をマネージメントしようとするとき、個人商店主の集まりと言うのは親和性が高いでしょう。

しかし、そうなってくると人事部と言うのは、本当にオペレーションを回すだけの部隊に過ぎなくなるのでしょうか?
個人商店主をまとめる部隊?なんでしょうか?

ドラッカーに、その答えがあるように感じます。
本書では、ドラッカーが自身のことを「社会生態学者」と呼んでいたとあります。

生態学の基本は見てそれを伝えることにある。つまり、分析や理論にとらわれることなく、見ることで知覚した変化に注目するのが生態学である(本書より引用)

これが、人事部のもう一つの仕事では無いでしょうか?
組織、そこへ所属する社員を観察して、組織がどのように変わろうとしているのか?そういうことを捉えて、より良い組織を作り上げていくのが、知識創造企業における人事マンの一つの役割では無いでしょうか?

その時に、観察により知覚したことの裏付けなどを得るためには、やはり分析も必要になってくると考えます。

現場における肌感覚を持ち、人事情報DBに蓄積された情報を様々に分析し、組織の現状と理想を日々考える。
そんなことが、これからの人事マンに求められるのでは無いかと考えてみました。
かなり思いつきです。そんな観点からも、自分の仕事や提供するソリューションを考えていきます。

(Y.Nobuka)

どうぞ、Twitterで拡散して下さい!

2012/01/06

【ブラザー工業株式会社様】イノベーションゲーム(R) 事例を公開しました

昨年12月に、ブラザー工業株式会社殿にて、イノベーションゲームを実施致しました。
因みに、ファシリテーションは毎度のことながら自分です。

事例公開の許可を頂きましたので、余り詳細は述べられませんが以下をご覧下さい。
http://www4.kke.co.jp/mhrc/case/index.html

<実施理由>
若手技術者に創造的な発想を体験して貰うことを目的に、スマートシティを題材にした「新商品開発のためのチャンス発見ワークショップ」を実施した

<参加者の声>
●技術者が普段接することの少ない、企画立案のアイデア発想という貴重な機会となった
●商品化や企画立案に役立つワークショップだと感じた。
●参加者の多くが、「既存」の技術を繋げる(組み合わせる)というところに、普段の業務では感じにくい”難しさ”と”面白さ”を感じた様子(研修担当者)

<個人的雑感>
今回もイノベーションゲームの良さが出た研修になったと感じます。
最近多く活用頂いているのが、「消費者イノベーション」のスタイルなのですが、日常業務では出来ているようで難しい、消費者視点というものをリアルに体験できる場にもなっているようです。

新たに、あるインフラ関係の企業様からは、イノベーションゲームを活用して新規事業の創出を目指したいというような話も頂いており、2012年はイノベーションゲーム元年となりそうな雰囲気です。
弊社では、企業様社内でのデモ体験も対応できるようになりましたので、ご興味ある方はお気軽にご相談下さい。

問い合わせ窓口 https://kke.smartseminar.jp/public/seminar/view/143

※イノベーションゲーム(R)は東京大学 大澤教授の登録商標です。

(Y.Nobuka)

どうぞ、Twitterで拡散して下さい!

2012/01/05

KKE Vision NAGOYA ~スマートシティと未来のモビリティ~

これからの知識創造企業は、消費者が望むだけのことを提供するのではなく、こちらからデザインを提案していくことが求められてくるでしょう。そんな中、手前味噌ですが、弊社のセミナ案内です。

(ここから)
構造計画研究所は、1959年に設立以来、50年以上もの間、産業界と学術界のブリッジたる企業を目指し、多種多様な分野における最上級のエンジニアリング技術をお客様に提供し続けて参りました。名古屋地区におきましても、1992年の事務所開設から20年を迎えようとしており、数多くのお客様と共に、さまざまな課題解決に取り組んで参りました。

こうした業務を通じて得られた、ソリューション事例や最新の研究成果の共有、またお客様と学術関係者の皆様の交流を目指して、当社では毎年、KKE Visionと名付けたイベントを開催しております。このたび、このイベントを初めて名古屋地区にて開催する運びとなりました。

今回は、2011年11月12~14日に東京で開催しました 『KKE Vision 2011 -発信、工学知-』において、特に好評を博しました環境と交通をテーマに、東京大学の西成教授や、日経BP社の望月氏など著名な講師の方々にご登壇いただき、最新の研究成果や活動についてご講演いただきます。

参加費は無料となっておりますので、この機会にぜひご参集ください。

◆主催: 株式会社構造計画研究所

◆日時: 2012/2/21(火)13:00~開場 13:30~開演

◆場所: 名古屋観光ホテル
   (名古屋市営地下鉄 伏見駅10番出口より徒歩2分)

◆プログラム:
13:30~14:40 【基調講演】
       「スマートモビリティの実現に向けて(仮)」
東京大学 先端科学技術研究センター 教授
       西成 活裕 氏

14:45~15:35 「欧州のスマートシティ、交通まちづくり動向(仮)」
PTV AG社(ドイツ) CEO
Vincent Kobesen 氏

15:55~16:55 「スマートシティの世界動向と日本の課題」
日経BPクリーンテック研究所 所長
望月 洋介 氏

17:00~17:45 「未来のまちづくりを支える工学の力(仮)」
       株式会社構造計画研究所 CEO
       服部 正太

 ※プログラムは、予告なく変更の可能性がございます。
  予めご了承下さい。

◆申込: http://kkevision.kke.co.jp/kvn2012/
     よりお申し込み下さい。

(ここまで)

(Y.Nobuka)

どうぞ、Twitterで拡散して下さい!

新年あけましておめでとうございます

新年あけまして、おめでとうございます。平素は格別のご愛顧を賜り有難うございます。

私事ですが、年末・年始は久しぶりに自宅でゆっくりしていたので、色々な書籍・雑誌を読んだり、テレビなど見ておりました。
つくづく感じたことは、もはや、人間を部品とみなすような労働集約型の産業は成り立たないのだろうということです。これとは別に、三菱東京UFJ銀行の畔柳会長が「IT産業は人類最後の労働集約型産業です」という発言をされていたことは興味深かかったです。
これは、ITにおけるSEの仕事というものが、機械で代用が出来ない。つまり、人間の創造性や能力こそが要求される、もっとも高度で付加価値の高い業務である。という賛辞のようです。

機械による効率化ができるものは徹底的に効率化を行い、機械では代用が利かない仕事がこれから要求されてくるのでしょう。それでも、賃金が安い、という国があると、高い機械を入れるよりも人海戦術でやってしまおう。と言う発想はあるわけですが、それが直ぐに立ち行かなくなることは我々は経験済みです(今の中国で顕著でしょう)

マネジャーに求められる素質も変わりつつありますよね。
人のパフォーマンスを最大化するために、サーバントリーダーなんて言葉も聞くようになりましたし、コーチングは昔から言われています。

そして価値観が多様化しています。

即物的な充足では無く、精神面における長期・安定的な充足を求める人が増えているようです。

2011年を振り返るに当たり避けられない「3・11」
この震災をきっかけに、特に日本人の価値観は大きく変容しています(していない人もいます。別に悪いことでも良いことでもありませんが)

恐らく、来るべき新しい社会の最先端を行っているのではないかなと直感的には感じる次第です。
日本は少子高齢化社会や先進国における長期デフレのフロントランナーでもあります。

そう考えると、グローバルも大事ですし、外に学ぶことは良いことなのですが、もっと日本内部に目を向けることは大事だなと考えます。

2012年も、多くの企業でグローバル展開やダイバーシティなどが大きなテーマになってくることでしょうが、それらを全て含めて、人事におけるグランドデザインを描くことが大事であり、描いたデザインに基づき人事戦略を立案・実行していくことが必須なのでは無いでしょうか?

散漫な文章となり恐縮ですが、昨年以上に、様々な記事や書籍を紹介しつつ、野中郁次郎先生が「知識創造企業」と呼ぶ、企業の在り方を一緒に考えていければ幸いです。本年も構造計画研究所 経営人事ソリューション室をどうぞ宜しくお願い申し上げます。

(Y.Nobuka)

どうぞ、Twitterで拡散して下さい!