2012/05/26

【参加報告】創造性ものづくり&創造性工学プロジェクト 2日目

本日、2012年5月25日(土) 東京大学 本郷キャンパスにて、「創造性ものづくり」という授業に参加させて頂きました。前回の様子はこちら。
http://kke-keieijinji.blogspot.jp/2012/04/blog-post_28.html

全4回(1回90分×3コマ)の構成で、実際にイノベーションゲームの実施までを行うものです。
大澤先生と共同研究をしている関係で、お声掛けを頂きました。今回は2日目です。

本日は、前回の振り返りとFinkeの実験体験と要求カード、基礎カード作りでした。

イノベーションゲー(R)は、アイデア組み合わせが強い制約なのですが、最近では1つの技術であっても、既存には無い新しい使い方の提案であれば許容する仕組みも入れているとのこと。

そこでFinkeの実験を体験しました。
簡単な実験で被験者の数に限りもありましたが、見事にFinkeの実験通りの結果が出たことには驚きました(ある程度は偶然の産物でしょうが)
実際にやってみると理解が進みます。Finkeの実験の詳しくは書籍などをご覧ください。

イノベーションゲーム(R)に関連させて表現すると、

基礎カード(元となる知識)は限定されている方が良い (何でも使えるは×)
適切なテーマを与える (何でも良いは×)
プレーヤーが自分で基礎カードを作る

そこで、今回は実際に「要求カード」と「基礎カード」を作成しました。
参考までにわたしが作ったものを掲載しておきます。




このカードの構造は「都合」を表現したものになっています。
なぜ、このような考え方を行うのか? 例えば、以下のような消費行動を考えましょう。

Aさんがホームセンターにドリルを買いに来ました。
店員が対応します。
言われた通りにドリルを渡して終わります。

後日、これでは自分が開けたかった穴が開けられない、とクレームが入ります。。。

何のこっちゃ、という感じですが、要するに我々は購買の現場においてさえ、はっきりと要求の意図を伝えられないということです。意図的に隠している訳では無く、積極的に開示しないだけです。だから厄介だと思いませんか。
気の利いた店員は、「ドリルでどんな穴をあけるのですか?」とか聞きます。そうです、Aさんの本当の要求(これを意図と呼びますが)は、「穴を開けることなのです」
ややメタ的になったともいえるでしょうか。”ドリルが欲しい”だけでは見えなかった世界が、”穴を開けたい”の世界にはありませんか?

こういった、意図を把握しておかないと手戻りが発生することは、ビジネスマンの方であれば一度は経験されているでしょう。ちなみに、ある製品やシステムを作ったことにより、思いもしなかった影響が起こることがあります。そのことによって、やはり手戻りが発生することもあります。
だから、このカードでは(これを派生制約と呼びますが)、そこも頑張って考えましょう。ということになります。しかし、この行為は結構しんどい作業なので、実際のイノベーションゲーム(R)の現場において埋めていっても良いというスタンスとなります。

こういうところが、全て一人で綺麗に出来る人は限られているし、ビジネスは一人でやる必要もありません。メンバー全員の知識・知恵が融合して生まれる価値は、一人のスーパーマンが考えたものよりも優る。こういうプロセスを作りたくて、イノベーションゲーム(R)をやっております。

今まさに、とあるメーカーさんからワークショップの依頼を頂いておりますが、かなりハードルが高いことを要求されております。今日の授業もまた、その要求へのヒントを得られる良い内容でした。ビジネスの現場では、こういうことを一つ一つ丁寧にやる機会が少ないので、このような授業に参加できることは大変有難い次第です。
(時間を取ったとしても、やはり、このような形でやらないと理解が進まないです)

次は、そのメーカーさんに対して、わたし(弊社)が大澤先生の役割を演じることになるわけです。

次は早くて、来週です。実際のイノベーションゲーム(R)を行うそうです。弊社のメンバー以外にも、社会人の方も参加されると聞いているので、今から楽しみです。

※イノベーションゲーム(R)は東京大学 大澤教授の登録商標です。

(Y.Nobuka)

どうぞ、Twitterで拡散して下さい!

0 件のコメント:

コメントを投稿