2011/04/22

戦略人事は必要なのか

戦略人事の見解については下記(4月20日の記事)をご覧ください。
http://kke-keieijinji.blogspot.com/2011/04/blog-post_20.html

今回は、戦略人事が必要な”わけ”を考えてみたいと思います。

変化の激しい時代において、短期的な成果が求められる傾向は益々強くなっています。人事においても、短期的な成果を求められることが増えているのでは無いでしょうか?人が大きな経営資源となっている企業(社会)において、短期的な資源とは優秀な人材の外部登用が中心となります。このような資源(人)は、同じように外部へ流出するリスクもありますし、他社にも同様のスキルが存在する可能性があります。つまり、他社が真似しやすいのです。
反面、自社できちんとした戦略に基づいて育て上げた人材は、他社には無い独自の魅力を発揮することが期待できます。また、経営目線も入れて、そのように戦略を練る必要があるわけです(これこそが戦略人事です!)。変化の激しい時代だからこそ、外部環境の変化に右往左往しない、着実に成長を遂げられる強固な組織が必要なのでは無いでしょうか。

このような組織を作り上げる時に必要なことは、自社のことを深く知り、人材のグランドデザインを描くことです。ここまでが戦略なのだと思います。優秀な戦略さえ出来れば、後は個々の戦術(施策)を確実に実行していけば良いのです。もちろん、常に戦略に基づく見直しと、場合によっては戦略自体の見直しが求められることは言うまでもありませんが。

戦術(局面)に勝っても、戦略的に負ければ、最後には負けが待っています。これは歴史が証明するところです。
面白いページを見つけたのでリンクしておきます。
http://tokyo.cool.ne.jp/syntax-and-formalsemantics/essay-strategy-and-tactics.htm

個人的には、第二次世界大戦~太平洋戦争終結までは興味のあるネタなので。

結論ですが、他社と差別化しないと生き残りにくい社会においては、組織作りにも戦略(自社独自!)が求められるわけで、それこそが戦略人事が必要な”わけ”です。答えも無いし、確立されたプロセスもありません。だからこそ、やりがいがあるとは思いませんか?

そのようなことを考える企業様に、弊社のノウハウを提供することで、一社でも多くの企業様に、オリジナルで素晴らしい組織を作って頂くことが思いであります。では、弊社が有するノウハウに、他社には無いどんな強みがあるのでしょうか?ホームページをご覧頂くことで分かることが一番ですが、分かりにくいかも知れませんので、機会があればこのブログにも書いてみたいと思います。2回にわたるお付き合い有難うございました。

(Y.Nobuka)

どうぞ、Twitterで拡散して下さい!

2011/04/20

意思決定イノベーションセミナ―

株式会社構造計画研究所 意思決定グループでは、下記のセミナを開催致します。

「意思決定イノベーションセミナ―
 ~顧客視点・現場視点のものづくり~」

日時 2011年5月26日(木)13時30分~17時30分
場所 株式会社構造計画研究所 本所新館(東京・新中野)
費用 無料
定員 100名

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
   アジェンダ
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
1)「チャンス発見」によるイノベーション    (講師:東京大学 大澤幸生教授)
2)お客様と商品と売り場を読み解く
  (レイアウト・プロモーションの定量化)
3)サービススタッフの最適スケジューリング
4)価格戦略コンサルティング          (ユーザー講演:東京ガス株式会社)

ご興味のある方は以下の案内をご覧ください。
http://www2.kke.co.jp/seminar_web/110526top.html

(Y.Nobuka)

戦略人事とは何だろうか

こんにちわ。最近は暖かくなり、すっかり春の装いですね。

みなさんは「戦略人事」という言葉を聞いたことがありますか。先日、あるお客様から「戦略人事って何ですか?」と聞かれました。一通り説明しつつも、弊社にとっても大事なキーワードなので、改めて整理してみようと思います。

「戦略人事」・・・ウィキペディアには掲載がありませんでした。

読んで字の如く「戦略的な視点で、人事(組織作り、人材育成など)を考えよう」ということです。
”戦略的な視点”って何でしょうね?
その前に、そもそもの人事の仕事を考えてみましょう。

一般的なイメージは、オペレーションの人事です。ルーチン業務であり、実務であり、トラブル対応です。
もうひとつは制度設計などの、企業のインフラを支える業務です。

戦略人事は、このどちらに入るでしょうか?強いて言えば後者ですよね。しかし、それも何かピンと来ません。そもそも、戦略とは、戦術よりも一つ上の概念として定義されていますが、「戦術人事」なんて言葉は余り聞きません。戦術とは戦争における個々の戦闘で用いられる作戦計画を指します。この場合、「戦術人事」とはオペレーションの人事に近いものであり、既に行われているから、「戦術人事」なんて言葉を使う必要が無いのでしょう。この戦術効果を高めるために、各種ベンダーが色々なツールやシステムを提案しています。

ということは、戦略人事という言葉が出てくる背景には、人事に戦略が無いよ。という一種の危機感から生まれてきたのかも知れません。戦略は大局的な見地に基づく作戦計画ですから、会社に置き換えれば、”わが社”をどのように成長発展させていくか、ということを考えることです。

つまり”戦略的な視点”とは、経営から見た中長期的に自社が成長するための視点、と言えるでしょう。以下のように定義してみます。

「戦略人事」・・・経営の目線で、中長期的に自社を成長させるための人事

次回は、なぜ、戦略人事が必要なのかを考えてみたいと思います。

(Y.Nobuka)

2011/04/15

システム思考と共創

先日、新入社員向けに各部門の部門紹介の時間がありました。
経営人事ソリューション室も紹介をしました。その時ボスが使った資料に、以下のようなことが書かれていました。

「経営」と「人事」をつなぐ、【ブリッジソリューション】

分断されがちな経営/人事管理の課題を、

システム思考で共創的に
科学・工学的手法でロジカルに

解決するツールの提供を通じて、顧客企業の健全で持続的な成長を実現する。

→→→ええと、概ね当室がやりたいことを表現しているなあと感じました。
反面、補足説明が必要だな、とも。と言うことで、少し噛み砕いてみます。
(この表現だけで既にご理解・共感を頂けた方は、是非ご連絡を下さい。一緒に仕事が出来たら大変楽しくなることが想像出来ます!)

◆「システム思考で共創的に」という表現が曲者なのでこれを解説?します。

システム思考とは、物事を要素同士の複雑な関係(システム)として捉える思考方法です。
例えば、メンタルヘルスの問題が起こった場合に、それが発生した部門だけ、その人だけを診るのでは無く、全社的にどのような状態にあるのかを考えるようなことです。

一般例自体は、下記サイトの「ボルネオ島」の例が面白いです。
http://pcmdays.cocolog-nifty.com/blog/2006/09/post_4132.html

では、要素同士の関係性を見出して、そこに最適な解を当てて上げればそれで良いのかと言うと、これでも足りません。
我々が提供したい価値は、一人の人間が導けるような答えでは無く、様々な関係者(経営者、人事部長、担当者など)の英知が結集された先に、誰も想像も出来なかったような”何か”を作り上げようというものです。
イノベーションを起こすと言っても良いでしょう。”何か”とは、制度であり、合意形成であり、方法論やプロセスです。

このような、多様な専門家が集まって新たな価値を生み出すことを共創と表現しています。

これで、システム思考で共創的に。の意味が少しはご理解頂けたでしょうか。
そしてまた、このようなことを進めるには、科学的、工学的なアプローチは必須であるわけです。直感や思いも大事ですが、それらは、科学的、工学的な土台の上に乗るものだと考えます。

では具体的に何をするのか。
許されるのであれば、全社的な組織調査を実施させて頂き、そこから組織風土とそこにおける従業員の思いを分析します(単純な平均点の算出ではありません)。そのような分析を通じて、その会社における成長プロセスのデザインを行っていきます。このデザインは一度作ったらお終いではありません。これを永遠にきちんと考えているような、そんな組織を作っていきたいわけです。最初は弊社の力が役に立ちますが、自分たちで共創のプロセスが出来てくれば、最後は弊社の力はそれ程いらなくなるかも知れません。それはある意味、望みであるかも知れません。
このようなことが出来る組織は、健全に持続的な成長が出来るのでは無いでしょうか。

(Y.Nobuka)

2011/04/14

イノベーションゲーム(R) ロバスト・シティ構想に向けて

共同研究をしている東京大学 大澤先生が、下記のようなセミナを開催されます。
http://www.panda.sys.t.u-tokyo.ac.jp/IMG_exp.html

4月29日(金・祝) 13時~16時 JST研究開発戦略センター 2F大会議室

対話を通じてものの価値を高め合うワークショップ「イノベーションゲーム」を体験できる数少ない機会です。
ご興味のある方は、是非ご参加ください。
このようなアイデア発想に興味がある方であれば、一度参加する価値はあります。

先生との共同研究概要については下記をご覧ください「隠れた構造の把握」
http://kke-keieijinji.blogspot.com/2011/04/blog-post_14.html

※イノベーションゲームは、大澤幸生教授の登録商標です。

(Y.Nobuka)

隠れた構造を把握したい

東京大学の大澤先生と共同研究をしています。
目下のテーマは「隠れた構造を把握する」という、なんだか分かるような分からないネタでやっています。一般化すると非常に深く広いテーマではありますが、そこは経営人事ソリューション室がやっていることですから、特に人事における情報をメインとしております。

ここ数年でBIツールが普及してきて、人事情報に関するデータが沢山溜まってきています。
しかし、データは沢山あるけど、それを活用しきれていない、というケースは多いです。
折角の貴重なデータですから、ここから有益な情報を抜き出したいと考えるのは当然です。

で、弊社がやるからにはデータを綺麗に分析して分かる表面的なことだけでは無く、もっと深い内側を暴きだすようなことをしてみたいということです。

例えば、アンケート調査データや人事情報の分析により、組織にどのような人材が、どのような関係性を持って存在しているのかを構造化することです。これにより、「タレント・マネジメント」をするための材料が得られるのでは無いでしょうか。

Aさんは堅実タイプ。Bさんは猪突猛進、、、、、堅実タイプと猪突猛進は肌が合わない。
というような外部にある一般的尺度で人材を把握するのではなく、その組織における各人の”タレント”というものを分析し、構造化していこうというようなものです。

このような構造化を、確実に、しかも簡便に実施するためのプロセスを共同研究しているようなところです。

(Y.Nobuka)

2011/04/09

東日本大震災の復興に向けて

弊社における、第3四半期のレビュー会議が行われました。
内部情報についてはコメントできませんが、最後の弊社社長の総括に関してコメントを書きます。
(※わたしが勝手に感銘を受けた箇所ということです)

今回の東日本大地震における福島原発の問題では、建屋の地震検討はしていました。津波の検討はしていました。と、個別事象の検討しか行われていない。しかし、実際の現状は複合的で個々の事象の総和からは予想出来ない結果を起こすわけです(これを、複雑系のシミュレーターの中では創発などと呼ぶわけですが)

会社も、まさしく複雑なシステムです。そこには、社員の能力の総和に留まらない創発が起こる可能性があると考えています。このような創発における現象に挑むのが、弊社が扱っている経営・人事シミュレーターです。
http://www4.kke.co.jp/mhrc/staff_sim.html

話を戻しますが、今回の東日本大震災の復興に向けて、社会貢献的な視点でも我々が持っているエンジニアリングを提供しよう。ということです。実は、同様のことは社員向けメルマガにも書かれているのですが。

自分は、比較的営業に近い仕事を続けてきて、当室に来て1年も経たないと言う中では、エンジニアリングとして誇れるスキルというものは中々難しいのですが、個人的な思いとしては、前述のような取組に積極的に携わりたいなあと思った次第です。

そのような社会貢献を続けるためには、やはり一程度の利益を稼ぐことも必要なわけですが。会社は公共団体ではありませんので。そのために、ますます顧客企業の役に立つエンジニアリングを提供していかなければ、と気持ちが引き締まりました。検索から来た方は宜しければホームページもご覧下さい。

経営人事ソリューション室
http://www4.kke.co.jp/mhrc/index.html

会社のホームページ
http://www.kke.co.jp/

(Y.Nobuka)

2011/04/05

我々がしたいこと

わたしのボスでもある、秋元が書いた「サービス提供の思想」は、当室が立ち上がった2008年頃に書かれたものなので、改めて、以下に簡潔にまとめてみました。

株式会社構造計画研究所 経営人事ソリューション室が目指すものは、考える人事の良きパートナーになることです。積極的に支援をする黒子役とも表現できます。

その思想背景は、経営や人事の問題とは、要因間の関係が複雑で分かりにくいものである、ということです。つまり、目に見える(起こった)問題に対してだけ対処をしていても十分ではない、ということです。

そして、状況は刻一刻と変わります。つまり、外部にコンサルティングをして貰っても、いずれは陳腐化してしまうということです。結局は、現場である人事の方々が考えないといけないのです。しかし、何から手をつけて良いか分からない。××のデータ分析が必要だが、詳しく分からない。複雑な関係性を持つ要因間の相互影響を考慮したシミュレーションをしたい。

などのような、問題があります。そのような問題を解決するお手伝いをしたいのです。
当社風に言いますと、経営・人事の方の意思決定を支援する、ということになります。下記のものと合わせてお読みください。
(2/14 サービス提供の思想)http://kke-keieijinji.blogspot.com/2011/02/blog-post_14.html

(Y.Nobuka)

2011/04/01

優秀な社員はいかにして作られるのか?

4月1日です。エイプリルフールです。入社式の会社も多いでしょうね。

弊社でもフレッシュマンが20名加わりました。
これから社会で、会社で新しいことに挑戦するぞ!という気概に満ちており、こちらまで元気を頂くような気分です。
毎年のことながら、良いものです。

さて、今日はあるコンサルタント会社へ訪問しました。業界では大手です。

外資系では無いのですが、完全な成果主義で、毎年の業績が上がらないと50歳になっても昇格も昇給も見込めないようです。
社員数などは、出入りの結果という意識が強いのか、将来的な社員動態には全く興味が無いとのこと。確かに、50歳になっても低賃金に抑えられるということは、無駄飯を食べている人がいないということですからね。
(恐らく、一人一人の社員が、自分が稼いだ分に見合った給料を貰っており、コンサルタントの集合体という形態なのでしょう)

ですので、本日会った管理本部の方も、リーダークラスは管理本部と同時に、自身も稼ぐプロフィットセンターでもあると言われていました。稼ぐ管理部門ですね。興味深いです。

当室に来るまで、わたしはメーカーの設計・開発の方と主に付き合っておりましたので、このような話は新鮮なものがありました。もちろん、知識として知ってはいたわけですが。。。

ただ、大手メーカーでも言われていて、コンサル会社でも言われていた、共通する興味があります。
それは、結果として優秀であったり、会社を支えるような社員というのは、どのようなキャリアパスを通っているのかを知りたい。というものでした。

そして、弊社では、以前よりこのようなキャリアパスの追跡(もっと言えば、会社全体の動態を捉えること)に必要性を感じ、それを可能に出来るツールを開発しようとしております。このようなものが、多くの人事部の方のお役にたつのであれば嬉しいなと感じました。

(Y.Nobuka)