2012/03/10

若返ることが活性化では無い

とある会社の記事で、「十数年続いた体制を一新し、若返りで活性化」というような内容がありました。社名は伏せます。

経営陣の平均年齢が10歳ほど若くなり、40歳代前半になるそうです。
記事の中に、

創業以来初となる経営陣の刷新に「社内は俄然活気づいている」(社員)

ポイント、ここですよね。
若いことが偉さでも、活気でもありません。若くても保守的な考えの人もいれば、ベテランでも革新的な人はいます。

まず同社の問題は、十何年も続いた成長の中で、創業メンバーが中心に居続けたことです。
創業当初はベンチャー企業で、活気にあふれていたでしょうが、気がつけば企業も大きくなり、固定化された組織の中では、自然と利権が発生し、派閥などが生まれます。目に見えていなくても、そんな風になります。

大事なことは、ベテランであれ、若手であれ、今あるフレームを疑えるか、の一言に尽きると考えます。
年配の方が不利(有利の裏返しですが)なのは、多くの体験を蓄積しているために、知らず知らず、意思決定が固定化していることです。その中には、過去の成功体験、失敗体験が”無意識”に反映されています。この無意識が怖いわけですが。

また、自分の成功体験と違うストーリーを言われた時に、まず、そのストーリーの何が優れているのか、という視点で考えられるかが大事です。意外に難しいです。そこで異質な文化とコミュニケーションすることが肝要になります。
だから、わたしはイノベーションゲーム(R)という対話手法(誤解のある表現かも知れませんが)を大澤先生から学んでいる?わけですが。

言いたかったことは、組織の活性化に必要なことは、若さと言うより、異質なもの、なのだということです。
同質化している中で、自分たちを省みることができる時は構いませんが、普通、それは難しいことなので意識的に異質なものに触れることが大事なのでしょうね。だから、ダイバーシティ(多様性)とも言われるわけです。決して、イノベーションのためだけではありませんね。
また、知識創造企業においては特に、組織の在り方を常に省みる姿勢と仕組みと能力が必要となるなあ、と考える次第です。

人事部に求められることは、組織を観察する力、定量的に調査する仕組みや分析能力、そして状況を深く理解するためのシミュレーションというところでしょうか。この辺、優秀な人事マンの力量でカバーしているというのが現状かと考えます。

※イノベーションゲーム(R)は東京大学 大澤教授の登録商標です。

(Y.Nobuka)

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