今日はHR戦略総合セミナー2011 1日目の参加報告です。
http://www.hrpro.co.jp/feature007_index.php
高橋先生の講演が大変素晴らしかったです。
「組織・人材のプロフェッショナルになる」
当室の目指している方向が間違っていないな。ということを確認できました。簡単に報告を。
【序】
アイスブレークとして、スペシャリストとプロフェッショナルの説明がありました。
医師や弁護士のように、自分の利益ではなく患者や相談者の公益を求めるという姿。モチベーション3.0に通ずるものを感じます。プロフェッショナルの反対語はアマチュアではなく、サラリーマン(上司に言われたことは全てYES)とのこと。なるほど。
本日のテーマは、経営目線での”人事のプロフェッショナル”ということでした。
【人事部の誕生~】
まず、日本と米国の人事の歴史を学べという話がありました。
(こういうのがスッキリまとまった書籍が無いとも!)
学ぶのは戦後からで良いと言いつつも、戦国時代の裏切り(転職)当たり前の例を引き合いに出しつつ、秀吉が転職禁止令を始めて出したなどの逸話は面白かったです(家康が儒教を持ち込み、君主を裏切らない大切さを植え付けた)
【~組織人材マネジメントへ】
Human Capitalを”人財”と定義するのは誤解を生むという指摘。
人を大切にしたいという思いは分かるが、ともすると持ち物(Asset)という誤解を与えるかも。
Assetは設備などのように、明日来てもそこにあるものだが、人は意思を持っているので来ないかも知れない。
Capitalの意味は本来、バランスシートの右側(資本の部)であるから、Assetを生むための源泉が人だということ。
そういう意味では、株主も社員も(お互いの満足度が高いことが)大事という論調が言える。
戦略人事はこのような文脈の中で語られ出した・・・
戦略を定義されていました。これは、マッキンゼーや大前氏の定義かな。
「中長期的に維持可能な、競争上の優位性を築くための計画・施策」ということです。
優位性ということは、横並びはダメなわけです。組織調査で他社と比較することの無意味さにも通じます。
5点満点を考えた時にALL5ということもあり得ません。下記のような例を引き合いに出されていました。
リッツカールトンのようなサービスを受けられて、味も良いし、スピードも速くて、設備も綺麗、それでいて吉野家並みに安い。(※吉野家はわたしの追加です)
こんなものは無いわけです。つまり、戦略とは、そのような取るべきポジションのどこを5点にして、どこは3点(2点以下も問題でしょうね)でも良いのかを判断し、実行していくことと言えます。
実はこれまでは、人事部には3点しか求められていなかったわけです。他で5点を取るから、足だけは引っ張らないでくれ。他社並みの人事をやってくれと(起こった火は確実に消してくれ)
いわゆる火消し人事であったり、先生はインフラ人事という言葉を使われています。
インフラ人事はインフラなので、他社も真似ることが可能なわけです。競争の共通土台(スタートライン)といったところでしょうか。
ここは抜き出るというよりは、落ちないことが大事です。
話はずれますが、インフラ人事も大事になっていて、健保や年金の問題などは専門性も求められる大事で大きなインフラ人事です。(だから、軽視して良いわけでは無いが、求められる能力やポジションが変わるということでしょう)
そのような意味では、手前味噌ですが、わたしの上司は数年前に人事部長をやっていた時に基金脱退などを実現しており、インフラ人事の観点からすると、とても凄いことをしていたのだと、今気付いたりしています(笑)
(当時わたしは営業をやっているラインの人間です。専門性が高すぎて、その真の凄さには気づいていませんでした!)
話を戻しますが、なぜ人事に経営視点(戦略人事)が必要になってきたか。
これは日本市場が成熟し、産業全体がサービス化しているからという指摘です。
新規顧客の獲得や新規市場の創成は日本ではコストが高くつくので、基本はリピート客を大事にする。
すると、CSが大事という理論が成り立ちます。利益の源泉はCSです。では、CSの源泉は何かと言えばESということになり、そのために戦略人事ということで。
【ダイバシティーも変遷】
この言葉も使われ方がテクニカルから経営視点に変わってきたと。(インフラ人事→戦略人事)
最初は、法規制による対応です。次にCSRが言われるようになり、CSRに一生懸命な会社は不祥事が起きた時のブランド棄損も少ないし、回復が早いことが研究事例としても証明されるようになると、CSRは儲かるぞ。と言う風になりました。
これは次に譲りますが、10名程度の北海道企業が中国人を採用した時の事例は面白かったです。
ダイバシティーも今では、経営戦略の上でも大事な要素になっているということです。
【組織・人材プロフェッショナルに求められる7つの能力】
(細かいことは次回に譲ります)
1)本質的課題設定能力
2)論理的概念コミュニケーション能力
3)ヨコのリーダーシップ
4)仕事の質、キャリアへのこだわり
5)専門性の継続的学習
6)動向・テーマの継続的フォロー
7)職業倫理による自己管理
このような能力を身につけるためのお手伝いや、専門性が高すぎてケア仕切れないところをサポートしていきたい、というのが弊社(当室)の思いだったります。
【皆さんへの問いかけ】
1年間の自分の仕事を書き出してみて、火消し人事(ルーチン)と戦略人事(経営視点の人事)の割合を見て下さい。
【事前アンケート結果】
戦略人事に取り組んでいる YES 15% NO 85% (表現は少し違いますが)
取り組めない原因(事前に参加者が回答したものから代表的なもの)
1)経営者が人材に興味無い(モノ・数字ばかり)→人事が橋渡しをしよう
2)人事の多くが火消しやルーチン業務と割り切っている
3)重要性は理解しているが、日々の火消し・ルーチンに追われている
→部署を切り分けられると良い(経営人事を考えるだけのチーム)
4)そもそも、人材ビジョン以前に経営ビジョンが無かったり、お題目だけだったりする
→ラインにも経営人事の視点が理解できるに人間を増やしつつ、人事も入り込んで、上から下からビジョンを作る大事さを会社へ働きかける必要あり!(大変!!)
個人的には、今年一番、いや人生で一番の講演を聞いた気がします。
明日は、東大の中原先生の講演を聞いてきます。なるべく報告できるように頑張ります。
後日、下記に続きをアップしております。
http://kke-keieijinji.blogspot.com/2011/06/2hr2011.html
(Y.Nobuka)
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