2011/08/20

ソーシャル・リーダーシップセミナ― (自己成長する意思表明の仕方)

多摩大学知識リーダーシップ綜合研究所が主催する以下セミナに参加しました
http://www.ikls.org/archives/274

「アメーバブログ」を運営するサイバーエージェント 取締役人事本部長の曽山氏を迎え入れての勉強会です。

参加に当たり、著作である「サイバーエージェント流 自己成長する意思表明の仕方」を読んだのですが、まずこの書籍自体が大変素晴らしかったです。若手、中堅、中間管理職、役員、というような形に分けて、それぞれでのキャリアにおけるワナとその脱却方法が明快に記述されています。
そして、そこから全体を通して言える、共通の注意事項で締めくくられています。
誰が読んでも、価値のある一冊だなと思いました。早速、社内に布教したいと思います。

まずセミナの結論。サイバーエージェント社とは、
①誉めのある会社
②チームプレー、家族主義
③悪意の無いミスに寛容(事例が沢山!)
  ※曽山氏曰く「実際に報われた事例が無いと説得力無し」

同社の一般的なイメージは、ITベンチャーで離職率は高く仕事は膨大で、でも遣り甲斐はある。という感じでしょうか。
曽山さんの話を聞いている限りでは、そのイメージは間違いです。ただし、かなり実力主義なのは間違い無いかと。

また、一度だけですが、曽山さんが「知識創造社会」という言葉を使われたことが印象的でした。
同社も、人件費が固定費では無いという考えのもと、いかに”人”の生産性を上げて、良質なアウトプットを出して貰うかを真摯に考えているのだと感じました。

まあ何よりも、曽山さん自身が素晴らしいのだろうと思いました。
こういう方が人事役員だと、会社は強いなあ、と思う反面、次の曽山さんがきちんと育っているのかな、ともひそかに思いつつ。こういう話は、ファストファッションで有名はH&Mの「Next Me」というのが代表事例です。

同社でも、CA8という役員の入れ替え制度があり、そのような意味では経営者経験を積んだ人間は年々増えているようですが。

さらに同社の藤田社長が人事コンサルは使うな、と言っていることに関連して紹介された、リクルートエージェントの村井さんの言葉が印象的でした。
「人事制度は、生業(自社のビジネス)に基づくものでなければならい」

その通りだと思います。そこが、当室が常々思うことです。
我々もコンサル業務をしますが、大事にしているのは現場感です。全部、弊社で答えを出してくれ、と言われたら、それはお断りするかも知れません。
技量としては出来ますが、そんな制度は「仏作って魂入れず」です。

でも、魂は現場の方々に入れて貰うとして、仏作りは時として自社だけでは手に負えないこともありますから、そういうところで要所要所、お手伝いが出来れば、これほどに嬉しいことはありません。

わたし自身は、キャリアの上昇角度が高い人間だと思っていますので、曽山さんの話を聞くにつれ、同社で働いてみたいと思いました(ローソン新浪社長の講演のときも同じこと書いてますが(笑))
http://kke-keieijinji.blogspot.com/2011/03/blog-post_10.html

誤解無いように書いておきますが、弊社もかなりキャリアが積みやすい会社だと思っていますし、自分はそのような経験に恵まれて仕事をしてきたので、会社に不満はありません。結局は、曽山さんの書籍にあるように、いかに「成長角度」を高く保つのかがポイントなのだと思います。そこで「意思表明」がキーワードになります。

同社のイメージでいくと、実力主義で、自己主張の強い人が集まっているように感じます。
すると、意思表明をしろ、と教育すれば十分に出来る素養があるのかと思います。
しかし、曽山さんが言われていたのは「意思表明は口頭で無くても良い。ブログやSNSでも良いんだ」というのは、また印象的でした。
だから、社員の大半のブログやSNSはチェックしていると。そのような、声無き声も聞こうとする姿勢に共感を覚えます。
(10人20人ではありませんからね。そのブログをチェックするだけでも、かなり骨が折れるのかと・・・)

と、思いつくままに書いてしまいましたが、結論としては「自己成長する意思表明の仕方」は一読の価値ありますよ。ということですかね。セミナで聞いたことは、まだまだ書き足らないのですが、最後に。

同社も創業時は退職率が30%を超える会社だったそうですが、このような色々な取組を行って来た結果、昨年は10%、直近では6%程度に退職率がなっているそうです。この数字が、会社が変わったという証明なのでしょうね。

今回は本当に貴重なお話を聞けたと思いました。

(Y.Nobuka)

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2011/08/19

アップル社にみる知識創造企業

2011年8月14日発刊の日経ヴェリタス61面「モヤモヤ経済学」にて、以下のような記事がありました。

「時価世界一 アップル型成長の逆説」

要点としては、研究開発や人材教育などのように、その成果が特許権やノウハウのような無形資産に繋がる活動性が重要性を増している。アップル社はこの成功例と言える。しかし、このような無形資産をただ礼賛すれば良いのか。実は、このような無形資産の中には、その企業だからこそ価値があるものも多く、合併などをしてしまうと、無形資産の価値は足し算や掛け算的には増えず、むしろ埋没コストが目立つようになるかも知れない。すると、アップル社のような会社ばかりになった時に、統廃合が進む過程では多くの埋没コストが問題となるかも知れない。と文章を締めくくっている。

さて、このような無形資産が成長の源泉となってきたのが、知識創造社会の特徴でしょう。埋没コストの指摘は頷ける部分がありますが、だからと言って、今の時点でそのような方策を取らないかと言えば、そうは言えないでしょう。

結局は、これからの社会において企業が成長していくためには、「人」に力をいれていく必要があり、その中で人事の在り方も変わらざるを得ないと思うわけです。経営視点の人事、MBB(思いによる経営)、色々と勉強をしていますが、やはり人が関わるこの分野は非常に面白いなあと感じる日々です。

ステークホルダーの全員がハッピーになれる会社。そんな会社を日本に沢山増やすためのお手伝いが出来たらと思います。

(Y.Nobuka)

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2011/08/15

知のフリーマーケットで宇宙を買おう!

共同研究をしている、東京大学 大澤幸生先生が、新しい試みを始められています。

これまで、イノベーションゲーム(R)(大澤幸生先生の登録商標:略称IM)を中心に、新しい価値を発見するワークショップを色々と考えてきましたが、今回はさらに新しい試みがあります。

IMを、テーブルゲームから「知のフリーマーケット」へと拡張する新しい手法を考えています。
テーマは「宇宙の知を地上へ!」この点も新しいところです。


部屋の床面全体をゲーム盤とし、「起業家」は部屋を徘徊しながら周囲のテーブルに置かれた素材知識(基礎カード)を組み合わせ、できたアイデアを売るために「出店」します。店が同時に数か所できて混乱するのもよし。「消費者」は、話を聞きたい起業家とだけとことん話してよし。
起業家は逃げも隠れもしてよし。参加者が部屋全体に分布しても、一か所に偏っても構いっこなし、よしよし。いわば、出店許可の要らない蚤の市(flee market)です。

もうひとつの新しさですが、今回は、宇宙開発技術(協力:JAXA)の新価値を検討することを目指します。「きぼう」(宇宙ステーション実験棟)などに用いられている技術や考え方を、われわれが親しんでいる地上の技術・ビジネスと統合する観点から隠された価値を掘り起こす、発掘→集束型のワークショップです。

本番は、10月12日~14日開催される弊社のユーザーカンファレンスですが、それを成功させるための事前試行を、9月21日に東京大学で行う予定となっております。わたしも参加させて頂きます。

本ワークショップ、取組にご興味ある方はお気軽にご連絡下さい。
https://kke.smartseminar.jp/public/seminar/view/143

イノベーションゲームの紹介
http://mag.executive.itmedia.co.jp/executive/articles/0808/27/news054.html

第2回異業種イノベーションゲームの模様はこちら(正式タイトルとは異なります)
http://kke-keieijinji.blogspot.com/2011/08/2.html

(Y.Nobuka)

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2011/08/09

第2回新商品開発のためのチャンス発見ワークショップ

2011年7月26日(火) スマートシティを題材にした「新商品開発のためのチャンス発見ワークショップ」の2回目を名古屋で開催しました。参加者は10名でした。


【目的】
異業種交流をベースにイノベーションを実現する手法である「異業種イノベーションゲーム」を使って、モノづくりの本場である中部地区において、業種や商品ジャンルを越えた新商品・新サービス開発を促進することを目指しました。


【異業種イノベーションゲームとは】
新商品・新サービス開発の種となる要素技術や将来出てくるであろう新たなる需要の関係性をマップとして提示し、様々な業種の異なった背景を持つ人たちを集め、起業家と消費者に分かれたゲーム形式のワークショップを通じて、隠れたニーズや新サービスのアイデアを深堀りし、ビジネスチャンスを発見する手法です。
※「イノベーションゲーム」は、東京大学大学院 システム創成学専攻 大澤幸生教授の登録商標です。


【ワークショップの振り返り】
2月に行った第1回目の反省を踏まえて、ゲームマップにも改良を加えた結果、先生曰く「これまでで一番盛り上がったゲームだった」とのことでした。消費者ロールは複数のペルソナをポートフォリオに出来ることとした結果、非常に多様な視点で要求が出され、それに応える形で起業家のアイデアが改良されていく様子が見られました。


具体的な事後分析はこれからですが、今回の反省を踏まえて、さらに一層価値のある「異業種イノベーションゲーム」を開催できるようにしたいと思います。ご興味がある方は、下記よりお問い合わせください。
https://kke.smartseminar.jp/public/seminar/view/143


(Y.Nobuka)

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【当日の様子】



【成果】新商品アイデアのマップ