2011/05/09

MBB(Management By Belief)について ~思いのマネジメント~

4月30日~5月1日 河口湖の弊社保養所にて、MBB(思いのマネジメント)を具現する方法の一つとして、人材マネジメントの仕組みを考えてきました。

MBBについてはこちら
http://www.ringolab.com/note/daiya/2010/07/post-1250.html

上のリンクでも確認出来ますが、MBBの定義を抜粋しておきます。
「会社の目標や組織の背景にある経営陣や上司の思いと、自分自身の仕事やキャリアに対する思いをぶつけ合う『創造的対話』によって会社にとっても意味のある業務上の目標を見出し、それを設定して、実行していくこと」

これまでの社会では「経済性原理」が全面に出てきたと思います。今よりも豊かになろう!今よりも便利な生活をしよう!そういった思いによって、日本も世界も飛躍的な成長を遂げてきました。
日本においては、豊さは達成されましたが、何かが足らない。という漠然とした不安や不満を多くの人が感じていると思います。その答えは、これ以上の経済成長には無く、社会との関わり方、生き方や在り方というものにあるのでは無いでしょうか。
これを「経済性原理」と対比する意味で「社会性原理」と呼びます。そこには一人一人の思いがあり、それは、「共通善(社会で役に立つもの)」というものに繋がっている必要があります。

会社という組織を考えてみましょう。思いは理念やビジョンとして言葉に表すことが出来ますが、社会性原理においては、これを上意下達で伝えることは望ましくありません。理念というものは、会社の歴史そのものであり不文律だからです。この不文律を感覚として共有していくことが、MBBと言えます。このように共有された思いを実際に実行していく時には、MBOのような管理ツールが必要となってきます。
もちろんトップが思いを明確に打ち出すことは大切ですが、それを無批判に受け入れるのでは無く、自分の思いと重ねていくことが大事になります。

因みに、この不文律を明確に規定してしまうと、そこで思考停止が起こるので、指示待ち社員が出来上がります。

以上が、MBBのベースのようなものです。

では、これをどのように人事制度へ落とし込んで行けば良いでしょうか。
幾つか考えたものを羅列します。

【キャリア】
10年で一区切りなどのTime Spanが必要。
スピードと成長と密度(深み)のバランスが大事
「深み」は思いを遂げた感である(定性的)
キャリアパスは暗黙的にすることで、良い意味での曖昧さを残す(フレキシビリティになる)
評価については、賢人会議のようなものが必要
(外部評議員がいたり、日本人以外がいたり)

20代は暗黙知を貯め込む
30代は暗黙知を業務に活かして、自分のスタイルを作る
40代は世界を拡げて、違う分野へ足を踏み入れて、グローバルに
50代は内面化して新たな知として再構成する。それを伝える。

【報酬】
月給(基本給)、賞与、退職金、その他のベネフィット。納得感が大事。

月給はMBB給であり、査定により決まる
退職金は、MBB的にお金を留保しておいて、成長の軍資金と出来るようにする(強制積立、融資制度など)
キャリア形成手当・・・キャリア促進のため
「経費を使える権利」には報酬感がある。研究開発者にとって、自由に使える研究費が多いということは嬉しい(思いの共有)
賞与は、単年度で短期的な処遇。賞与の差が大きい仕組みは、意識がMBO的になる(短期成果を求め過ぎる)
これまでは、成果が個人にフォーカスしていたことに問題がある。係などのチーム単位での成果評価も加える。
年棒制度は、それ自体が成果主義の象徴のような仕組みであり、MBB的には否定する。

【育成イメージ】
20代は先輩についてOJTで暗黙知を蓄える>SECI型OJT→OJTの加速化
30代は形式知化して、自分なりのワークスタイル、知の作法を習得。自己実現のパターンを見出す。テーマを発見する。発信してフィードバックを貰う。確立していく
40代はさらに拡げる。ある分野で確立したものを、他分野に生かしたり、グローバルな世界へ生かしたりする。ローテーションが大きい。体験させる。リーダーシップ研修。
50代は賢人になる。哲学を語れるようになる

(ここまで)

その他にも、MBBを促進するための仕掛けづくりには、色々なツールが使えると考えておりますが、今回はとりあえず、このようなことを考えています。という話まで。非常にザックリとした内容ですが、ご興味のある方は是非ご連絡をお待ちしております。一緒に考えたい!MBB的な考え方を広めたい!という方も歓迎です。

(Y.Nobuka)

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