2011/05/26

コンプライアンスとは

コンプライアンスが大事、というのはどこの企業も共通の思いでしょう。

しかし、実際にはコンプライアンスに関する問題はなかなか無くなっていないと思います。

日本語に訳す時に、法令遵守とされるわけですが、法律を守れば良い、という意味では無いわけです。

法律には、それを制定するに当たっての背景もあれば、性善説で成り立っている時もあります。

つまり、法律違反していないから良い、とか、グレーゾーンであることを利用して儲けようとする態度は、時としてコンプライアンスの観点から非常に問題があると言えます。

ということを、以下の記事を読んでいて思い出しました。
http://onodekita.com/
 (ブログ→雑談の5月23日「電力社員を味方にしよう」をご覧下さい)

これを読んで、今の原発問題について、東電は国の安全基準に従って運営をしていただけの会社であり、悪いのは安全基準を定めた国である。という論調があります。一理あります。

しかし、コンプライアンスとして考えれば、運営会社としてそれで、本当に責任を果たしたのか?ということです。原発事故が起こったら、どんな問題が起こるのかを想像すれば経済性が全面に出ることは無かったはずです。
国の指示に従ったから悪くありませんでは、幼稚園児の言葉です。何のためのコンプライアンスかと思ってしまいます。

そうして、内部からもそのようなことを改革しよう、変えようという自浄作用が(外部から見ていて)見受けられません。
つまりは、多くの社員も長い社員生活の中で、そのような気持が薄れて行き、コンプライアンスというものを見失ったのかも知れません。

自分の会社を誇ることが出来ますか?

と問いたいものです。先日お話を伺った、メーカーのCSR担当の方がこんなことを言っていました。

「当社では、社員満足度だけではなく、誇り度も測定しています」 と。

素晴らしいことだと思います。これからの組織では、単に社員が満足感を得ているだけではなく、その仕事や会社に所属していることに誇りを持てることが大事では無いでしょうか。

上記の記事を読みながら、そんなことを考えた次第です。自社をそのような会社に変革して行くし、そこで培ったノウハウは、どんどん社外にも提供していきたいと思います。

(Y.Nobuka)

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2011/05/19

第2回 新商品開発・チャンス発見ワークショップ in 名古屋

前回名古屋で開催して好評だった「チャンス発見ワークショップ」の第2回を開催します。
前回の様子はこちら
http://kke-keieijinji.blogspot.com/2011/02/1.html

今回も前回同様、テーマは『生活者視点のスマートシティ』です。
ファシリテータ―も東京大学 大澤先生と西原先生に実施頂きます。

新商品や新事業を考えるにあたってお悩みの方は一度ご体験頂けると嬉しいです。
お申込み・詳細は下記よりお願いします。
http://www.kke.co.jp/nagoya/

 【日時】 2011年7月26日(火) 14時~18時 ※18時から懇親会予定
 【場所】 愛知県名古屋市中区栄1-3-3 アムナットビル朝日会館11F
      株式会社構造計画研究所 中部営業所セミナールーム
 【費用】 無料
 【対象】 企業もしくは大学研究機関にお勤めの方 ※業種・職種は問いません
 【人数】 10名

東京大学大澤・西原研究室ホームページはこちら
http://www.panda.sys.t.u-tokyo.ac.jp/index.html

月刊MD編集長(2代目)のブログでイノベーションゲーム参加体験レポートがあります
http://ameblo.jp/md-editor-in-chief/entry-10876482867.html

(Y.Nobuka)

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2011/05/09

MBB(Management By Belief)について ~思いのマネジメント~

4月30日~5月1日 河口湖の弊社保養所にて、MBB(思いのマネジメント)を具現する方法の一つとして、人材マネジメントの仕組みを考えてきました。

MBBについてはこちら
http://www.ringolab.com/note/daiya/2010/07/post-1250.html

上のリンクでも確認出来ますが、MBBの定義を抜粋しておきます。
「会社の目標や組織の背景にある経営陣や上司の思いと、自分自身の仕事やキャリアに対する思いをぶつけ合う『創造的対話』によって会社にとっても意味のある業務上の目標を見出し、それを設定して、実行していくこと」

これまでの社会では「経済性原理」が全面に出てきたと思います。今よりも豊かになろう!今よりも便利な生活をしよう!そういった思いによって、日本も世界も飛躍的な成長を遂げてきました。
日本においては、豊さは達成されましたが、何かが足らない。という漠然とした不安や不満を多くの人が感じていると思います。その答えは、これ以上の経済成長には無く、社会との関わり方、生き方や在り方というものにあるのでは無いでしょうか。
これを「経済性原理」と対比する意味で「社会性原理」と呼びます。そこには一人一人の思いがあり、それは、「共通善(社会で役に立つもの)」というものに繋がっている必要があります。

会社という組織を考えてみましょう。思いは理念やビジョンとして言葉に表すことが出来ますが、社会性原理においては、これを上意下達で伝えることは望ましくありません。理念というものは、会社の歴史そのものであり不文律だからです。この不文律を感覚として共有していくことが、MBBと言えます。このように共有された思いを実際に実行していく時には、MBOのような管理ツールが必要となってきます。
もちろんトップが思いを明確に打ち出すことは大切ですが、それを無批判に受け入れるのでは無く、自分の思いと重ねていくことが大事になります。

因みに、この不文律を明確に規定してしまうと、そこで思考停止が起こるので、指示待ち社員が出来上がります。

以上が、MBBのベースのようなものです。

では、これをどのように人事制度へ落とし込んで行けば良いでしょうか。
幾つか考えたものを羅列します。

【キャリア】
10年で一区切りなどのTime Spanが必要。
スピードと成長と密度(深み)のバランスが大事
「深み」は思いを遂げた感である(定性的)
キャリアパスは暗黙的にすることで、良い意味での曖昧さを残す(フレキシビリティになる)
評価については、賢人会議のようなものが必要
(外部評議員がいたり、日本人以外がいたり)

20代は暗黙知を貯め込む
30代は暗黙知を業務に活かして、自分のスタイルを作る
40代は世界を拡げて、違う分野へ足を踏み入れて、グローバルに
50代は内面化して新たな知として再構成する。それを伝える。

【報酬】
月給(基本給)、賞与、退職金、その他のベネフィット。納得感が大事。

月給はMBB給であり、査定により決まる
退職金は、MBB的にお金を留保しておいて、成長の軍資金と出来るようにする(強制積立、融資制度など)
キャリア形成手当・・・キャリア促進のため
「経費を使える権利」には報酬感がある。研究開発者にとって、自由に使える研究費が多いということは嬉しい(思いの共有)
賞与は、単年度で短期的な処遇。賞与の差が大きい仕組みは、意識がMBO的になる(短期成果を求め過ぎる)
これまでは、成果が個人にフォーカスしていたことに問題がある。係などのチーム単位での成果評価も加える。
年棒制度は、それ自体が成果主義の象徴のような仕組みであり、MBB的には否定する。

【育成イメージ】
20代は先輩についてOJTで暗黙知を蓄える>SECI型OJT→OJTの加速化
30代は形式知化して、自分なりのワークスタイル、知の作法を習得。自己実現のパターンを見出す。テーマを発見する。発信してフィードバックを貰う。確立していく
40代はさらに拡げる。ある分野で確立したものを、他分野に生かしたり、グローバルな世界へ生かしたりする。ローテーションが大きい。体験させる。リーダーシップ研修。
50代は賢人になる。哲学を語れるようになる

(ここまで)

その他にも、MBBを促進するための仕掛けづくりには、色々なツールが使えると考えておりますが、今回はとりあえず、このようなことを考えています。という話まで。非常にザックリとした内容ですが、ご興味のある方は是非ご連絡をお待ちしております。一緒に考えたい!MBB的な考え方を広めたい!という方も歓迎です。

(Y.Nobuka)

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