2011/02/14

大澤先生

昨年より、「チャンス発見」なる概念を提唱されている東京大学の大澤先生と共同研究をさせて頂いています。そもそも、チャンス発見とは、「意思決定を左右する重要な事象、状況、またはそれらに関する情報を理解し活用すること」とのことです。ご存知でない方には、何のことやらという感じでしょうか?詳しくは、大澤先生のホームページを参照ください。
その中の取り組みの特徴的な事例である、イノベーションゲームという発想思考メソッドをここでは簡単にご紹介いたします。テキストマイニング(例えば、アンケートデータなど、自然文で書かれた文章の各ワードの出現頻度や相関関係を分析するもの:マイニングは採鉱という意味)技術をベースとし、対象となる事象を可視化します。ここでは、それを更に高度化させ、そもそもの原文にない単語も含めて、相関関係を可視化する技術(データ結晶化技術)を用い、見えざるチャンス発見をサポートします。
それらのマッピングデータの見えざるチャンスが具体的に何かは分からないのですが、そこにチャンスがあるということだけ分かります。そのチャンスが何なのかを関係者が語らいあうことにより、新たな気づきや可能性の発見がなされるというようなものです。
余計に分からなくなってしまったかも知れません。
これは、私たち構造計画研究所の経営人事ソリューション室が目指している、工学の経営人事への展開と合い通じるところがあります。このようなことを言うと、経営や人事は科学や工学では解決できるものではないというような反応が返ってくることがしばしばです。
私たちは、世間で喧伝されているBIツールのようなものを作ろうとは考えてはいません。
データを分析、解析することで、情報になり、知識になりということが、自動で行われ、それが人間の役に立つということは全くないとは言いませんが、あまり期待できるものではないかと思います。
それより、完全に勘と経験でやってきて、場合によっては見落としてきた観点をバックアップするような使い方としての工学技術が、科学・工学と人間の共生という意味では重要かと思っており、そのような点で当社のビジネスの方向性と繋がっています。
結果として、ソリューションとしては分かりにくいものになっているのは否めませんが、その限界と可能性を考えると、どうしてもそのような表現になってしまいますし、それは限界以上に可能性があるからだと前向きに考えたいと思います。
先生とは、それこそ、呑んだり遊んだりなどを通し、語らいあうことで、ようやく意思疎通ができるようになってきました。現在、イノベーション力強化研修などの形で、サービス展開を考えております。今後の発展をご期待ください。(秋元正博)

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