2014/05/22

NHKスペシャル「東京スカイツリー 世界最難関への挑戦」ができるまで。

こんにちは。
今日は、昨日参加した勉強会の報告です。

NHKスペシャル「東京スカイツリー 世界最難関への挑戦」
http://www.nhk.or.jp/special/detail/2011/0724/

NHKスペシャルで、史上2番目の視聴率、16.9%を叩きだした本特集は、たった一人の広報担当者の思いから生まれたのでした。

特に許可を得ていないので、ご担当者の方の名前は、N氏と伏せておきます。

<当時の状況・背景>
2006年、談合問題がマスコミに叩かれ、業界・現場が意気消沈。
当時広報担当だったN氏は、誠実にモノづくりに取り組む現場に報いたいという思いで、何か出来ないかと考えていた

<スカイツリーのPRを行おう!>
当初、会社としてスカイツリーに関する主体的なPR計画は無かった
N氏は、スカイツリーを通じて、現場の素晴らしさを世の中にPRしたいと考えた
B to Bが中心の大林組にとって、一番PRしたい対象(お客様)は、経営層。
と、考えた時に経営層が良く見る媒体は、NHKと日経新聞だと思い至った

 → 日経に一面広告を出す

さらに、スカイツリー施工の記録映像を残すため、NHKエンタープライズ社に発注したことをきっかけに、NHKスペシャルで特集を組んで貰うことを考える

☆☆☆
例えば、日経新聞の一面広告を出すのは、当時予算で4500万円(定価?)したとのこと
一担当者が決済できる額ではありません。これを、どのように周囲を説得し、実現したか、が皆さん気になるところでしょうけど、それはオフレコな話もあり残念ながら書けません。

ただ、

「一人一人の社員の強い想いが、大きなうねりを生むことができる。綿密な計画が全てではない。」

というメッセージが印象的です。

賢い綿密な計画を立てることは否定しませんが、時として、たった一人の熱い想いが、巨象を動かすこともあるのですね。一企業が、NHK社に、「NHKスペシャルで特集組んで!」とお願いしても、全く相手にして貰えないそうですから。。。

これからの知識創造社会においても、社員であれ、独立した起業家であれ、自分でアウトプットを出す責任と、それに想いがこもっていることが大事です。今回は、一人の想いが皆に伝染して結果が出た良い例ですが、想いがぶつかりあって、更に凄い化学反応を起こす、そんなこともあると思います。

因みに、実際にNHKスペシャルの取材が始まってからも、工事の現場が、カメラなどを入れるのを嫌う文化があったり、と苦労は絶えなかったようです。
しかし、日曜日(現場が休みの時)にカメラを入れて、それを日曜夕方のニュースで流して貰う。などの地道な努力で、現場のカメラに対する抵抗感を無くしていったとのこと。

凄いものって、才能のある人が、華々しく作る(Ipohneとか)というイメージもありますが、(もちろんN氏も凄い方だと思いますが)、地道な努力が陰にあることは忘れないようにしたいです。

落ちとしましては、「ダイオウイカ」に視聴率は抜かれたそうです。恐るべしダイオウイカ。
http://www.nhk.or.jp/special/detail/2013/0727/

科学万能の今の時代にも、未知な領域は沢山あるものですね。人間の可能性は無限大です。

2014/05/01

【参加報告】BigData Conference

本日はBigData Conference(4月22日、23日)への参加報告です。
ワールドビジネスサテライトでも放映されていました。

運営者から:
参加者のプロフィール
社長・役員が2割
部長クラスも加えると、7割以上が意思決定者

自分は、マイノリティの3割ということです(笑)

午前中は、「Visionaries Session」という位置付けで、11社の方から順番に講演がありました。
今朝、パレスホテルで行われたフォーラムを受けての結果とのことです。

フォーラムでは、5つの課題が確認された
【定義】
・定義が定まっていない
・定義にこだわらず実践しろ、という意見もある

【事業創出】
・ビッグデータを活用した成長戦略をいかに描くか(企業の成長戦略に繋げること)

【金】
・ビッグデータ活用による投資対効果の試算
・15年前、メール導入で、ROIの話があった
  but コミュニケーションの当然のインフラとなり、今はROIとは言わない
     Bigdataは早晩、(目に見えない)インフラとなるべき  

【人材】
・データ分析人材の不足
・最適な組織体制を探る試行錯誤

【理解】
・企業がビッグデータを安全に有効に活用できる環境作り
・ビッグデータの活用が、企業だけでは無く、社会や個人にも有益なことを啓蒙する必要

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印象に残ったのは、村田製作所、森川先生(東大)でしょうか。

以下、各発表です。

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データの力をビジネスの力へ ~デジタル化時代の到来~
アクセンチュア 執行役員製造・流通本部 統括本部長 江川昌史様
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<導入>
・データの力を使って優位性を発揮している企業(少数)
・ビッグデータブームにあやかろうと、試行錯誤をしているが思うような結果が出せない企業もある

・海外では、ビッグデータ活用にCEOが責任を持っている
・日本ではCEOは、そこまで言及しない。CIOや現場の責任だと思っている

<業界の話題>
・経産省が40億円の予算をつけた
・ビッグデータの専門企業(米)が日本進出を狙っている噂

<TOPICS>
・データ活用の勘所:完璧を目指さない。PDCAを回すこと、実行が大事

ジョン・ターキー 「ひらめきより、試行錯誤だ!」
ジェフ(FB共同創業者)「とにかく試行(PDCA)の高速化が重要だ!

・データ × アルゴリズム × 適用サービス =最適化(新事業創出)
・社内外のデータを組み合わせた活用が主流に

<3つのアルゴリズム>
1)多変量解析  →在庫補充最適化など (関連特許を保有) 、金融における不正検知事例
2)探索的データ解析 →犯罪防止、顧客離脱モデル、位置情報による道路改善
3)機械学習 →社会インフラ、パターンに認識による予防医療、協調フィルタリング(レコメンド)

<データ活用の4段階>
1)社内の過去データを分析して、経営の意思決定に活用
2)自社の顧客情報やWebログ、オープンデータを分析し、社内業務改善やマーケティングに活用
3)他社データや、非構造化データを組み合わせ、サービスの効率化・高度化、さらにOne to Oneマーケティングへの活用
4)センサーデータなどから取得されるデータの活用


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モノづくり力を高める
生産工程データの活用
村田製作所 モノづくり技術統括部 モノづくり強化推進部 生産革新2課 課長 宮森誠様
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<結論>
・ビッグデータは意識していない (スモールデータでも十分に活用できる)
・目的=品質改善
・手段=ビッグデータ活用

※この目的を見失わないことは大事だと、常々感じています
 (データを見たい、データを活用したいは、目的では無い!)

<生産工程データの活用>
・現場・現物・現認
・技術的な知見(熟練者のノウハウ)
・データ活用(熟練者のサポートという位置付け)

※QCD作り込みのうち、品質を重視

<データ活用に必要な3要素(上記連携に必要な)>
・業務直結 (解決すべき課題は何か=ビジネスに役立つことは何か?)
・解析手法 (データ解析が問題解決に繋がるのか?どのように問題を解いていくのが良いのか)
・情報技術 (データを集める情報技術、環境があるか?簡単に構築できるか?設備のデータ収集も)

<進化しているIT技術>
・大量なデータ (HDDなどのストレージだけでなく、コンピュータそのものが安価に)
・様々なデータ (基幹業務システムのデータだけでなく、設備や測定機器のデータも自由に扱える)
・高速な処理 (コンピュータだけでなく、ネットワーク回線、設備・測定機器など全て早くなっている)

→これらにより、現場の大量かつ様々なデータの見える化(組合せ)が可能となっている
→経営者、現場にはそのままでは伝わらない
 →伝わるように見せることが大事=グラフ化

<グラフ化=見える化=形式知化>
・想定通りの結果を得る→データの裏付けにより、形式知化
・経験と違う結果(グラフ化)が出る
 ※どちらも正しいと考える。新しい知見を得られたと思う

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一歩先の経営に、日立のビッグデータを。
日立製作所 情報・通信システム社 システム&サービス部門 安田誠様
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※基本的にCMセッションかな。

<導入>
・テレビCM  (ソーシャルイノベーション)の動画
・データを使う側、提供する側の両面を持っている企業
 →エネルギー、都市、交通、ヘルスケア、水・資源、ロジスティクス、ビッグデータ(IT)、金融

・Big Data=「コト」+「ヒト」+「モノ」

コト:バッグオフィス、業務データ
ヒト:人の活動・動きによる結果
モノ:センサーからの情報とか

アナリティクスでつなぐヒト・モノ・コト
ビジネスと社会の革新のために

<人の活動状況を捉えるツール>
・ライフ顕微鏡
・ビジネス顕微鏡
・レーザーセンサー

■データが可視化出来ることのビジネス価値は?

■測れないものは管理出来ない! (有名な言葉) ←これは良いですね

測れる、見える <GAP> 役立つ、使える

市場や顧客のことが測れて分かる事と、それをどの様にアクションにつなげるかは別のビジネス課題
ビッグデータの解析をしていると、面白い結果が見つかって喜ぶ、で満足するケースがあるが、それをどう経営に結び付けるか重要

 →アナリティクスもメールのように、一般的な仕事になっているでしょう

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パーソナルデータの価値を、生活者の利益に。
~「生活者目線」のビッグデータ活用~
NTTドコモ 執行役員ライフサポートビジネス推進部長 中山俊樹
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<導入>
・通信屋は、情報交差点のようなところ
・パーソナルデータの価値を考える

<新領域の取組>
↓デジタルコンテンツ (ここ10年スタート)
↓リアル(コマース)  数年は、ここ
↓生活サービス     さらに直近1~2年に力を入れていること  学び・食事・運動・健康

→ドコモクラウド (無限の楽しさ・・)

生活サービス  ×   イネーブラ

生活サービス:
学ぶ、食べる、健康、運動、買い物を提供する企業との提携 (exクッキングスタジオ)

イネーブラ:
【ドコモの技術】認証、課金、ポイントクーポン、クラウド化、モバイル化、映像配信技術とか

<ヘルスケアサービスとモバイルICT>
・ヘルスケアデータ一元管理
 →100万件近く溜まってきた。
 →どうやって、ユーザーへ”Benefit”を返していくかが課題
   ※今は、バイオリズムの表示など。

・東レと、繊維の共同開発した
 →スポーツ、健康分野にどう使っていくかが、課題。

<教育サービスとモバイルICT>
・MOOC ”gacco”をスタート:収益モデル化と新教育携帯への取組

・リアルとデジタルを組み合わせたハイブリッドなラーニングを提供
 →パートナーとともにドコモが目指す「学び」を協創

<生活サービスで蓄積されるビッグデータ>

 P X R (ぴー エックス あーる)   ”PXRの連携”

X=health,shopping,learning・・・)

どのように価値あるデータとしてストックするか。  連携:環境、空間統計 (気象データの観測もずっとしている)アメダス並み
どのような価値を顧客へ返すかが、ドコモの最重要課題
 (社会的な価値とかも、色々な企業とのコラボも模索)

会社コンセプト「ともに、生きるをデザインする」を大事に。

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ビッグデータで社会価値創造を
NEC取締役 執行役員常務 兼 CMO  清水隆明
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・10年単位で大きな変化
・予想もしなかったようなことが起きている(リーマンショック、シェールガス革命)

 ※リーマンショックは、一部の人間は気付いていたと言われていますが
   (実際に、サブプライムローンの問題を警鐘していた人もいたが、バブルの中ではいつでも無視される。このことが、一番の問題ですよね)

<マクロ視点で予想が可能では。5つの視点>
1)連鎖する環境・資源問題
2)国家間パワーバランス変化
3)成熟社会モデルの模索
4)個を基点とした社会
5)多様化する脅威

<今後の国内IT投資の変化>
・伝統的なITシステムは成熟:コストダウン中心
・新しいITの活用が進展:クラウド、SDN、、、
・日本では情シス(CIO)任せのスタンスが強い
 ※業務の効率化だけでは無く、新事業の創出やビジネスモデル変革なども求められる


キリがありませんので、こんなとろこで終えますが、内容盛りだくさんで中々に面白いイベントでした。日経Bigdataを購読すると、無料で参加できます(購読料が年間5万円弱ですが)