2011/09/30

成功の方程式

週刊東洋経済10/1号に「韓国企業「競争力」の裏側」という記事がありました。

本記事は、サムスン、現代、LGに代表されるような韓国企業の華々しい成長の裏には、虐げられる下請け企業の存在がある。という論調になっています。

知っている人はご存じでしょうが、個人的には「そうだったのか韓国財閥!」という感じでした。

さて、ここでは下の記事が気になったので取り上げます。

>巧みなマーケティング、迅速な意思決定力が韓国企業の強さの背景にあり、これは日本も見習わなければならない

とかく、日本企業は投資の意思決定が遅いと言われますね。
でも、本当に迅速な意思決定が常に正しいのでしょうか。こう言った表現の中には、「成功の方程式」に頼ろうとする企業の姿が見えます。他社から学ぶことは大事です。でも、それは「成功」を表面的にコピーしても意味が無いのです。

大事なのは「意思決定」を常に行う、ということでしょう。一度意思決定したことも、環境が変わればその時に正しい決断を再度下す必要があります。そのような意味では迅速な意思決定は大事ですが、それは「決断を下すための情報が、きちんと整っているか」という問題なのです。
迅速な意思決定が必要だからと、正しい情報が集まっていない中で、直感や思いだけで決断を下していると、それは失敗する可能性があります。

結局、各社ごとに、外部環境、内部環境(組織の状態)が違うわけですから、その時々で最適解を見つけることが特にこれからの時代は求められると考えています。それは、トップや経営層だけがすることではなく、我々のような一人一人の社員に求められる力です。

「成功の方程式」を見つけて、真似れば良いわけでは無い。というこの問題意識は、弊社の組織調査サービスのコンセプトそのものでもあります。あえて言えば、その時々における最適解(自社における成功の方程式)を見つけるための組織調査と言えるかも知れません。

そう言えば、以前に社内講義をして頂いた藤原和博先生も同じことを言っていたと思い出しました。
著作の「突破力」でも、下記のようなご指摘をされているようです。
http://www.ncreate.net/other/post379/

そう考えると、高度経済成長期のように「正解(歩むべき人生のモデルケースが用意されている)」の無い今の時代は生き難いようでもあり、だからこそ充実しているようにも感じます。
(まあ30代前半のわたしには、高度経済成長期の体験はありませんが!)

時代は変わったわけです。我々も変わらないといけませんね。自戒の念を込めて。

(Y.Nobuka)

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2011/09/29

【参加報告】はじめてのワールド・カフェ!

下記サイトで紹介されている「ワールド・カフェ」を初体験してきました。
http://world-cafe.net/about-wc.html

参加前のワールド・カフェへの印象は、ファシリテーションが重視されていて、色々な意見が引き出される場作りがされている。その反面、意見は出せば良いものだろうか?そこに価値のあるものが生まれる可能性は?

という疑問を抱いていました。

【感想】
なかなか楽しい。参加者は30名弱で、5つのテーブルに分かれて行いました。「対話」というものがテーマになっていたのですが、以前から争いが起こったり、無関心な状態が続くのは相手を知らないことが一番の原因であり、相手を知ることが対話の役割。のようなことを考えておりましたが、わずか90分の間に、30名弱のみなさんの「対話」に関する意見を聞くことが出来た気分でした(これこそがワールド・カフェの醍醐味と思いますが)
その中にはやはり、自分一人では気付いていない視点や、同じことでも別の表現系で聞くことが出来て、自分の中の”幅”が拡がったような気分でした。例えば自分は「相手を知る」に重きを置き過ぎているところがあって(それは最近は自覚も芽生えつつあったのですが)「自分を伝える」手段でもあり、それも大事であることを再認識したりしました。
その時に、相手の”背景”に合わせて対話出来ることが理想であり、それをラジオのチューニングのようだと表現されている方がいたり、カウンセラーをしていると言う人は「受容」であり、それはやはりチューニングのイメージだと言う話でした。
(因みに、カウンセラーと言う人とは同じテーブルにはなっていません!!つまり対話をしていません)

さて、これが仕事や業務にどのように生かせるだろうか?という観点で参加しましたが、生かせそうです。
まず、社内で言えば、各部門のエースやエース候補生を集めて「業務における課題」のようなテーマで実施して、部門間コミュニケーションの活性化が実現できそうでした。
また、以前より取り組んでおります「都合学ワークショップ」と言うものに対する、事前ワークショップとしても活用出来そうな感覚を持ちました。

曰く「決めない会議」ということで、ワールド・カフェのポイントは自分の意見や知識が自然と引き出され、それが「場」として全体で”自然に”共有されていく。と言うところにあるようです。

だから、このワールド・カフェをやることで、新しい何かが生まれるか?と言うと、各人の心には響くものがあるが、それを再整理していかないと、やり放しで、楽しかったね。で終わってしまうかも知れない。

つまり「決めるプロセス」を意図的に配置する必要があるわけですね。

まずは社内でやってみます。その報告はまた、このブログで行えると良いですが。

(Y.Nobuka)

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2011/09/22

イノベーションゲーム(R) 事例を公開しました

大和小田急建設労働組合様の定期大会で実施したイノベーションゲームの事例を公開しました。
http://www4.kke.co.jp/mhrc/case/index.html

本日、組合の責任者の方と事後打ち合わせをさせて頂き、当日の参加者の感想を聞けました。

3時間という制約。参加者は全国から集まっており、初めての人も多いという状況の中でも、非常に楽しいゲームを体験できたという嬉しい感想があったとのこと。

以前から参加されいてるメンバーの中には、ゲームで学んだことを生かして、実際に新しい受注などを勝ち得ている方もいると聞き、さらに嬉しい思いでした。

また、過去3回ご参加頂いているメンバーの方からは、毎回工夫があり、より良くなっている。という感想も聞きました。

次回に向けて、さらなる工夫を取り入れていけるよう、わたしも色々と勉強を続けております。
このようなワークショップにご興味のある方は、お気軽にお問い合わせ下さい。

・部門間連携などを促進するコミュニケーションとして
・創造性を高めるための、新しいスタイルを学ぶ場として

その他、想定される課題に合わせて、ゼロから一緒に作り上げて行くことも対応しております。

※イノベーションゲーム(R)は東京大学 大澤教授の登録商標です。

(Y.Nobuka)

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2011/09/20

ワールドカフェとイノベーションゲーム(R)

先日のブログに書いた通り、東京大学の大澤先生と共同で「イノベーションゲームのセミナ」を行います。
http://kke-keieijinji.blogspot.com/2011/09/kkevision20113r.html

お陰様でWEB公開から2週間も経たないうちに、あっと言う間に満員御礼となり、郵送案内の方向けに定員を若干広げましたが、それも直ぐに埋まるような状況です。
因みに、当日の見学は自由となっておりますので、参加申し込みが出来なかった方も、是非ご覧頂ければ幸いです。

さて、イノベーションゲームが最終的なアウトプットとして質の高いものが出る(時にはイノベーションそのものが起こることが期待されている)理由として”否定の効用”が研究されています。

ブレーンストーミングなどは、否定をさせないことで沢山のアイデアを出させる手法で、これをKJ法などの分析手法にかけていくのが、従来の商品開発・企画の実態だったことは、多くの企業で伺います。
その反面で、従来のやり方に限界を感じている担当者の方は、イノベーションゲームには一つの可能性や興味を示して頂いております。

このような中で、わたしが最近興味を示しているのがワールドカフェというスタイルです。
下記のサイトで紹介と9月27日セミナがあります。
http://world-cafe.net/2011/08/92710.html

アメリカで生まれただけあって、「YES、AND」が主体のワークショップのようです。
「YES、AND」話法というのは、体験すると分かりますが、ついつい話がはずみます。自然とアイデアも広がるイメージがあります。ただ、その広がっていったアイデアが、必ずしも”価値”のあるものなのか?

というのが、永遠の課題ではないでしょうか。
だから、イノベーションゲームは批判にこだわり、実際に参加者もその効用を実感されるケースが多いわけですが。
ここでの批判には、視野を拡げるイメージがあります。その周辺をもっと見てみよう、という意味で批判をしているのかも知れません。これを「YES、AND」で拡げていくと、場合によっては”価値”の無い方へ話が弾んでいく可能性が残ります。

どちらが良い・悪いではないと思っているので、ワールドカフェのセミナに参加して、良いところは存分に取り入れて行きたいというのが狙いな訳ですが。

皆様は、どのようにお考えになりますか?
これからは知識創造社会になります。日本発のイノベーションを沢山起こしたいですね!

※イノベーションゲーム(R)は東京大学 大澤教授の登録商標です。

(Y.Nobuka)

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2011/09/05

KKEVision2011 3日目「未来をデザインするためのイノベーションゲーム(R)」

株式会社構造計画研究所では、2011年10月12日(水)~14日(金)にかけて、下記のイベントを開催します。

KKEVision2011
http://kv2011.kke.jp/

毎年開催しております、弊社ユーザーカンファレンスとなります。
今年は、ヒルトンホテル東京にて、3日間開催でテーマも多様になっております。

1日目 「安心・安全社会の構築」
    基調講演「東日本大震災の被災経験および今後の研究と展望」
    東北大学大学院工学研究科 教授 井上 範夫 氏

2日目 「製造業の未来を切り拓く技術」
    基調講演「リスクマネジメントのための失敗学」
    東京大学大学院 工学系研究科 機械工学専攻社会連携講座 特任教授 濱口 哲也 氏

3日目 「復興と未来の都市インフラ」
    基調講演「跳躍の歴史へ向けて ~悲惨のなかの希望~」
    防衛大学校長/神戸大学 名誉教授/東日本大震災復興構想会議 議長 五百旗頭真氏

    記念講演「宇宙原理と建築」
    日本建築学会 会長/ 東京工業大学 名誉教授 和田 章 氏

特に、経営人事ソリューション室で関係が深いのが、3日目に開催する、イノベーションゲーム(R)の体験ワークショップです。今回は、「最先端の技術で日本の未来を切り拓く」というテーマで、新しい日本の未来像を発想していきます。
イノベーションゲーム(R)を体感して頂ける貴重な機会ですので、ご興味ある方は上記のリンク先より、お申込みを宜しくお願いします。

※イノベーションゲーム(R)は東京大学 大澤教授の登録商標です。

(Y.Nobuka)

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2011/09/01

イノベーションゲーム(R) 実施報告

去る8月30日に、ハイアットリージェンシーにて、大和小田急建設労働組合殿向け、イノベーションゲームを開催してきました。

こちらの組合では2年間、毎年の大会に合わせて「創造力を引き出し、新しい事業を考える方法を体得して貰うこと」を目的にイノベーションゲームを実施してきました。今年は、東日本大震災があったことにより、PPPやPFIと言った事業企画への応募に会社が力を入れており、このイノベーションゲームで良い案を出すことが出来ないだろうか?

というようなご相談を最初に頂きました。

限られた時間の中で、参加者同士のコミュニケーションを増やすことも考慮しつつも、より良い提案を出して貰うために様々な工夫を凝らしました。

ゲームの設計としては、被災地における課題を「行政」「被災者」「産業」というような視点で切り分け、より本質的で大切な課題を考えて貰い、そのうえで、大和小田急建設殿の技術が、どのようにビジネスに結び付くのか、ということをワークして頂きました。(実際に出来上がったものは、イノベーションゲームをベースにしつつも、かなり発展的な内容のものとなりました=異質なもの)

当日は6チームに分かれてのゲームとなり、1チームは9名程度でした。

最終成果物としては、各グループにPPP/PFIを意識した提案書の草案を発表して頂きました。
かなり視点の違う課題認識とソリューションが提示されて、特に、ある1グループはソフト面に着目し、仕組みを提供するような提案をされたことには驚きました。短時間で、ここまで纏まるものなのだと感心しました。

グループで出されたソリューションを拝見していると、課題の分析切り口は様々でありながら、共通して言えることは「DO AQUA」「DO-SE工法」と呼ばれる、同社の土壌浄化や水浄化の技術を上手に活用する視点が入っていました。単に、それで浄化して終わりでは無く、これを被災地における、直近と将来的な課題をなるべく包括的に解決するような提案が盛り込まれていたことが素晴らしかったです。

今回のイノベーションゲームを振りかえると、時間的な問題も含めて、あえて役割プレイはしなかったものの、課題とソリューションをフェーズを分けつつも、同時に考えて頂くことで、バランスの良い案が出てきたと感じました。
発表を除けば、わずか2時間程度のワークだったことを考えても、かなり内容のあるゲームだったと自負しても良いのかなと・・・(手前味噌で恐縮です)

ご担当者様からも、評価のお言葉を頂き、また継続してビジネスをしましょう。という話になっております。先方のビジネスがより一層発展するための、一助となれればこれほどに嬉しいことはありません。

イノベーションゲームにご興味を持たれた方は、下記のサイトをご覧ください。
また、10月14日(金)には弊社のプライベートフェアにて、大澤先生ファシリテーションによるイノベーションゲームも開催します。こちらは参加無料です。
http://www4.kke.co.jp/mhrc/planning.html

※イノベーションゲーム(R)は東京大学 大澤教授の登録商標です。

(Y.Nobuka)

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