2011/02/28

第6回HRカンファレンス参加


2011年2月16日(水) 第6回HRカンファレンスに参加しました。
http://jinjibu.jp/hrc06/

今回は「組織を活性化させる人事戦略」というタイトルでした。
基調講演の東大 中原先生の話は分かりやすく面白いものでした。
組織を活性化するという言葉は、Magic Wordであり、メタファだという指摘がありました。
メタファであるとは、組織という主語は本来おかしくて、複数の社員の集まりが組織でるということ。
組織が活性化するとは、複数の社員が活性化するということです。
Magic Wordということは、組織を活性化すると言った時に思考停止に陥りやすいということです。
そもそも組織が活性化した状態とはどんなものでしょうか。
定義が明確じゃないんですよね。イメージする者が人それぞれです。
部門間の風通しが良いとか、挨拶が元気良いとか、業績が上がっているとか。

表出している課題に個別の対策を立てるのでは無くて、組織が不活性になっている真因を掴むことこそが重要では無いかと言われておりました。

本講演では、以下の2つを大事な要素として抽出されていました。
①職場メンバーがコミュニケーションしあい、目的価値を共有すること
②職場メンバーが能動的に挑戦を行い、成長を実感できる

確かに、これらが満たされた職場は非常に働き甲斐がありあそうです。
目的価値の共有や成長の実感も、人によってそれぞれなので、短期的な分かりやすい処方箋だけでなく、全体像を捉えた上での対策も大事になりますね。

特別講演は3つありまして、わたしは株式会社レアリゼの「創造性を発揮する組織を創るための4ステップ」に参加しました。

結論は、以下の通り。
①自分1人で欲求を満たす
②良好なコミュニケーション
③問題解決の話し合い
④創造を生む仕掛け

第一ステップは選択理論に基づく、5つの基本欲求の充足です。
http://www.choicetheory.jp/about/about1.html
結局、個々人が一個体として満足していなければ、何をやっても意味が無いということなのかと理解しました。
講演では時間が無くて語らなかったのですが、ボスマネジメント(外的統制)から、リードマネジメント(内的統制)にするのが、キーのようです。

いずれにしても、組織を顔の見えない社員の集まりとして考えているうちは、組織の本質的課題を掴むことは難しいと言えそうです。

唯一解は無く、組織毎に答えは違います。その答えを探すヒントは組織調査に求めることが出来そうです。

(Y.Nobuka)

2011/02/21

第1回新商品開発のためのチャンス発見ワークショップ

2011年2月18日(金) スマートシティを題材にした「新商品開発のためのチャンス発見ワークショップ」を名古屋で初開催しました。参加者は11名でした。

【目的】
異業種交流をベースにイノベーションを実現する手法である「異業種イノベーションゲーム」を使って、モノづくりの本場である中部地区において、業種や商品ジャンルを越えた新商品・新サービス開発を促進することを目指しました。

【異業種イノベーションゲームとは】
新商品・新サービス開発の種となる要素技術や将来出てくるであろう新たなる需要の関係性をマップとして提示し、様々な業種の異なった背景を持つ人たちを集め、起業家と消費者に分かれたゲーム形式のワークショップを通じて、隠れたニーズや新サービスのアイデアを深堀りし、ビジネスチャンスを発見する手法です。
※「イノベーションゲーム」は、東京大学大学院 システム創成学専攻 大澤幸生教授の登録商標です。

【ワークショップの内容】
 起業家3名と消費者に分かれて、下のマップを見ながら、新商品・新サービスのアイデア出しを行いました。

起業家はそれぞれ「RF-ID」、「淡水化技術」、「インターネット家電」の要素技術(ゲームカード)をコアにアイデア出しを行うという流れが序盤にありました。次に、消費者から提案されたニーズが呼び水となり、より生活に密着したアイデアが次々と出されました。さらに、自然発生的に起業家同士の連携や起業家と消費者が共に考える商品開発が行われ、最終的には30を超える新商品・新サービスのアイデアでマップ(下図)が埋め尽くされました。

初めての試みでしたが、こちらが想像していた以上に盛り上がり、議論も尽きないという感じでした。
なお、参加者の皆様からはゲームの改善案とまた参加してみたいとの声を多く頂きました。第2回目ワークショップ開催についても鋭意検討中です。ご興味のある方は、下記ホームページよりお問い合わせください。

http://www4.kke.co.jp/mhrc/index.html

(Y.Nobuka)

2011/02/14

大澤先生

昨年より、「チャンス発見」なる概念を提唱されている東京大学の大澤先生と共同研究をさせて頂いています。そもそも、チャンス発見とは、「意思決定を左右する重要な事象、状況、またはそれらに関する情報を理解し活用すること」とのことです。ご存知でない方には、何のことやらという感じでしょうか?詳しくは、大澤先生のホームページを参照ください。
その中の取り組みの特徴的な事例である、イノベーションゲームという発想思考メソッドをここでは簡単にご紹介いたします。テキストマイニング(例えば、アンケートデータなど、自然文で書かれた文章の各ワードの出現頻度や相関関係を分析するもの:マイニングは採鉱という意味)技術をベースとし、対象となる事象を可視化します。ここでは、それを更に高度化させ、そもそもの原文にない単語も含めて、相関関係を可視化する技術(データ結晶化技術)を用い、見えざるチャンス発見をサポートします。
それらのマッピングデータの見えざるチャンスが具体的に何かは分からないのですが、そこにチャンスがあるということだけ分かります。そのチャンスが何なのかを関係者が語らいあうことにより、新たな気づきや可能性の発見がなされるというようなものです。
余計に分からなくなってしまったかも知れません。
これは、私たち構造計画研究所の経営人事ソリューション室が目指している、工学の経営人事への展開と合い通じるところがあります。このようなことを言うと、経営や人事は科学や工学では解決できるものではないというような反応が返ってくることがしばしばです。
私たちは、世間で喧伝されているBIツールのようなものを作ろうとは考えてはいません。
データを分析、解析することで、情報になり、知識になりということが、自動で行われ、それが人間の役に立つということは全くないとは言いませんが、あまり期待できるものではないかと思います。
それより、完全に勘と経験でやってきて、場合によっては見落としてきた観点をバックアップするような使い方としての工学技術が、科学・工学と人間の共生という意味では重要かと思っており、そのような点で当社のビジネスの方向性と繋がっています。
結果として、ソリューションとしては分かりにくいものになっているのは否めませんが、その限界と可能性を考えると、どうしてもそのような表現になってしまいますし、それは限界以上に可能性があるからだと前向きに考えたいと思います。
先生とは、それこそ、呑んだり遊んだりなどを通し、語らいあうことで、ようやく意思疎通ができるようになってきました。現在、イノベーション力強化研修などの形で、サービス展開を考えております。今後の発展をご期待ください。(秋元正博)

サービス提供の思想

はじめまして  構造計画研究所 経営人事ソリューション室の秋元です。
当社(株式会社構造計画研究所)は当初は建築構造設計として設立され、現在では様々な工学知をご提供させて頂く総合エンジニアリングファームへと成長を遂げ、今年で創立50周年を迎えました。そして、私たち「経営人事ソリューション室」は、エンジニアリングサービスで培った科学的な考え方を経営や人事の課題解決に活用しようという新しい試みを担うチームです。どうぞよろしくお願いします。

さて、早速ですが本日の話題です。
当社は構造計算や振動解析などのソフトウェアの開発・販売などを長い間手掛けてきましたが、自動式一貫設計システムの開発・提供はしてきませんでした。それはなぜでしょうか。構造計算や振動解析は「現実に似せたモデル」を解いているだけで、実際の現象を完全に把握できている訳ではありません。私たちは、「設計という意思決定」には技術者(あるいは専門家)による“ジャッジメント”が必要であり、一問一答式に結果が出るソフトウェア・システムは、ある意味有害と考えているからです。

解析などの計算ができる(モデル化が前提となりますが)ということと、その結果をどう判断するかは別の問題です。工学の世界で重要なことは、「合理的な判断をしようという努力」を繰り返すことです。そしてそのプロセスから得られるナレッジの蓄積とその応用力こそが前進をもたらすのであって、投入された値から機械的に判断された結果のみを提供するシステムは、その助けとならないばかりかエンジニアを思考停止させエンジニア自身の成長と工学の進歩の両方を阻害してしまいます。

私たちは、工学的なテクニックを経営や人事の世界にもご提供したいと考えている訳ですが、そのように紹介すると「それでは是非とも最適な結果を出して欲しい」などとよく言われます。もちろん、内容によってはそれで問題ないものもあるでしょう。しかし、経営や人事の問題の多くは、目標や目的が単一ではなく多属性・多目標であり、関連する要因間の関係も複雑です。それに時代による変化や、業界や立ち位置の違いによってかなり異なることも考えられます。また、データの信頼性、モデル化の技術、解析・分析の技術なども、その適用範囲や精密さの水準などによって「最適」という言葉の表す意味の範囲は自ずと変わってくるものと思います。

そもそも近代科学は、要素還元主義的に全体の一部分を緻密に分析することで発展してきました。一方、経営や人事の問題など社会系の多くの課題は複雑な相互関係性を持った課題であり、既存の科学的アプローチはたいして役に立たないという見方もあるでしょう。しかし、いつまでもKKD(勘・経験・度胸)の論理で経営や人事の問題を解決しようとしていては、いつまで経っても回避可能な判断ミスは無くならないでしょう。以前、スズキのCEO兼COOである鈴木修氏の迅速な不景気対応を勘ピュー ターと紹介する記事

http://moneyzine.jp/article/detail/142318

を目にしましたが、「勘」こそは過去と現在のデータを複雑に評価分析し統合した結果の意思決定であり、そこにサイエンスを以て挑戦し続ければ、少しずつでも鈴木氏(人間)の意思決定に近づいていけるだろうし、超えていくことすら可能だと考えます。

「アートとサイエンス」と言われる経営、あるいはその経営へのインパクトが大きい人事の問題に対し、サイエンスの視点を提供しようというのが当社の立場です。「サイエンスで全てが解決する」とか、「アートは意味がない」などと考えている訳ではありません。「結局はバランスだ」と言えばつまらない話になりますが、アート的なものとサイエンス的なものの共創が組織をイノベートしていくための一つのカギなのではないかと思っています。
(秋元正博)